飢えている獏へと餌をやる為に或いは疲れを取る為ねむる
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この秋は栗と向き合い殻破り一皮剥けて垢抜けて「マロン」
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兄ちゃんは栗が苦手と知っている。今は好きかも知れんじゃないか
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半世紀待たせているの黄泉こうせんのほとりに薔薇が十二本ある
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鳥みたい!重力もまるでないみたい! もう遅いよと囁く天使
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体から出られないので体ごと知らない所へ運んでもらう
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明らかに軽んじられたそのときの噛みつき方を習わせてくれ
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呆けてる 重いドラマだ 知ってたけど 明日は気楽に 相棒の初回
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来週から あの役もまたあの役も 出ないんだねと せつなきこころ
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積雪の石北峠映されて旅の準備にダウンはいかが
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口喧嘩 何処に比重をかけるのか 雰囲気なのかセンテンスか
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眠たげな 二人の隙間を吹き抜ける 青い夜風は行くあても無し
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ちんぱんじー にげたげんいん しらべると。 しつれんだったら マッチングアプリ
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つらいとき私のこころ風となり君の痛みを奪っていくから
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キッチンのカゴの中にも秋来たり 色味競う柿やりんご達
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スマイルアップ 短縮したら すまっぷに ノンケであるのは 君タクだけか /被害者ならごめん
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君が吐く星屑を飲み込めば 喉を撫でるハッカ ひやりと甘い
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ぐしゃぐしゃな 1日終わり 切り替えて 明日もがんばる この繰り返し
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「ほら、これが約五千万年前のクジラの化石。翼があった。」
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猫逝きてかいな寂しく寝返りのベットの広さ確かめてみる
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余命聞き「覚書おぼえがきノート」残す義母はは 心の強さいさぎよき最期
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「先生」と呼んでくれるがただの主婦 方程式は聞いてこないで
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西の果て和魂にぎたま照らす日輪はニライカナイへとにじみ寄る
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邦人の イスラエルから 避難代(三万円) 台湾有事の 避難みすえて /台湾邦人二万人と観光客七千人
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川底の 石ころ拾って 磨く夜 幼き日々の 思い出があった
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夕刻の涼しい風に窓の外 ロールキャベツの香りただよう
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インク塗りエリアを守るひっそりと 勝つか負けるか真剣勝負
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読むよりも雑誌のページをめくるのがわくわくしてる自分がいます
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ふんわりと 金木犀の 風香り 本でも読んで みようかと思う
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老いて行く母の笑顔に癒されて もう少し もう少しだけと 念じてみる
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