季節性鬱病ちょっと良くなって 薬効いたか?それとも日差し?
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いつかわたし、こころ一つで縫ってできた歌集をだすこと夢かもしれぬ。
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薬局の派遣薬剤師白衣に着替え説明に笑顔でうなずく
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晴れなのに何故か晴れないこの心天気と心は違うようだ
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海と空だけの景色を閉じ込めて胸いっぱいに青を満たして /旅の終わりに
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花束を渡して友に喜ばれ 作ってくれた花屋に感謝
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自分すらつまらぬ歌と思うなら それはやっぱりつまらぬ歌か
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栗名月 かたちふっくら 朧月 お供え物は 栗どらでいかが
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青白い月がそんなにこわいならジャングルジムへ逃げ込みなさい
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来年の手帖をひらいてみたところ どんな未来を描こうかしら
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故郷の、君無きさとに蝶は飛ぶ 荒れた庭にも、咲いている花。
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ごきぶりも冬虫夏草になるだろか 独身息子の水屋で発見
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作者など実はなくって人生は知らぬまに成る不思議シナリオ
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ガザの地に復活遂げしヒューラーは石の刺さつた両腕笑ふ
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秋の暮れ孤独のトンボが手の甲に止まり祖父かと思ってみたり
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畦道に坐る野良猫夕焼けに染まる穂波に身体を揺らす
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倦怠アンニュイはSNSに捧げられ いまぞ嫉妬の華ひらく見ゆ
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家庭。家庭。その名憎しと研ぎし刃の刃先を向けるところなかりき
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秋刀魚高魚は値段が変わるなあステルス値上げできないだけか
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流れ往く雲を歌へば日々日々のつまらぬ心も流れ往くかな
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例えばの話と切り出す君からの聞きたくなかった方の将来
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「IQは20ちがうと意思疎通できないってさ。」 ニワトリうなずく
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沈殿を繰り返していく週末に終止符を打つ冷めないコーヒー
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こんなにも狭くて大きな夜が来て月が一人でほんとに良かった
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とり入れををへし田畑に雀らのさわぐを聞けば秋更けにけり
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人気無き キャンプ場のバンガロー 一人寝て聞く 鹿の鳴き声
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夜勤ゆえ 早朝に家に帰り来て カンチューハイか まず朝風呂か
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ススキの穂 CDカメラで接写して 拡大すれば目にも鮮やか
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無印の無添加ローション気になって買い置きミノンどうしようかと  
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校舎裏 匂ひさぐりて寄りくれば虫食ひの葉の金木犀あり
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