年忘れ私の中のザワザワをステンレスの鍋で煮てみる
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けとれ五十年後のグラデーション 同窓会の海はさざ波
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手に負えぬ 無理難題を脇に寄せ イカの刺身に舌鼓うつ
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ハグからもシャケからも出るオキシトシンならばハグってほぼシャケかもな
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門口かどぐちはまだ冷え残る朝の9時日向ひなたの十字路もうぬくいこと
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ヤマザキのあんまん なかなか売ってない ねこ母の冬 一部はじまらぬ
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遠慮なく ねこにスリスリしたいから ボタニカル石鹸ソープは 遠慮がちにて
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寝るときは ミルキィソープの香りがね ねこにとっては「おかあちゃんの・かおり」
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義母ははくれた ハチミツと紅茶のボタニカル石鹸ボタニカル 使いどころがわからず まごまご
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気がつけば毎朝寝室一人ぼっち「一緒に起きよう」と言われなくなり
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努力する 人は希望を 語りだす 怠ける人は 不満を語る
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最悪とは 追い詰められて 全てが なかった事に しょうと言えない時
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犬達が ストーブ取り合い 揉めている じゃん犬をして 解決するのか?
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失ったもの数えましょ手始めにノート鉛筆、消しゴム多め
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欲するは朝食よりも甘い物今川焼を貪っている
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スマホ見て泣きじゃくりをる女の子 こりゃああれだな男女のあれだ
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鏡見てあなたに向けた笑顔を試す私の脳はエフェクトだらけ
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欲情に 振り回されて 人生を 台無しにする 枚挙いとまず
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善と悪 選ぶがままに 任されて 神の子供ら 離れ離れに
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ヘリ下り 先生やめて 子供らと 怒られてます 幸せ地獄
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天にまで 続く梯子を 登り切り 喜び歌う 清き人々
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この世でも いくらかましと 地獄では 思い出すはず 暗闇の中
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脅されて 警告されて それでなお 悔い改めず 頑固な自分
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自らが 信じる道を 歩く時 石を投げられ 罵られても
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この道はどこに行くのか分からないでもひたすらに歩いていこう
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そろそろとゆっくり歩く氷上にそれでも転ぶヴィヴァルディの冬
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新聞のスポーツ面もこの頃は経済面と見紛うばかり
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冬の午後 気持ちは長編読みたくも 和田秀樹氏の啓発本やっとなり
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十二月十七日六時二分夜明けに向かいアクセルを踏む
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勲章は己でつける筋トレをしてから朝の納品へゆく
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