遠距離の八年やつとせ 織女牽牛に我が身重ねし 今は昔
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江ノ島で 君と手話で語る しなやかに 動くその手は とても綺麗だ
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キンカチョウ 頬に線書き デビルマン 相手の戦意を へし折る知恵
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織姫と彦星くらい離れたら夫婦喧嘩のやりようもなし
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負けないで 銀河を渡り 超えていけ 二人の間織姫 彦星 十六光年
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干上がってしまわないかな天の川 炎天見上ぐ七月七日
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一歳のゆで卵のごと柔肌がじわり煮卵なりゆく小暑
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ふんわりと甘い香りがたちこめる バナナはちみつケーキのやさしさ
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寝起きから やることなすこと 裏目の日曜日にちよう 妻の小言を カレーでかわす
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ユーカリで 心中中の コアラたち  いのちの電話 必要ですか
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表情が豊かになる孫 うする母 ああ、歳を取るってこういうことかな
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「あなたきっと忘れてしまう」にこやかに微笑む君の鋭い言葉
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止めどなく流れる涙天の川あなたと私の境目となる
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こんな空見れるなら夏も良いかもと 思ってすぐまだ閉められる窓
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蟻たちが 我慢の限界 でしたと 供述をする 取調室
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ウンザリや またか…でもなく 聞き慣れた 熱中症 警戒アラート
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猛暑日の七夕祭りの短冊に書けぬ「も少し入院させて」
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だらしない人に迷惑かけるなと祖母があの世でまだ怒ってる
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今日は七夕 毎日会いたいよ 君に 都知事選も 気になるけれど
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七夕や ここは都会で 天の川 はきとは見えぬか 羊羹眺める
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ふきげんに なるときもある ねこだから ひょうじょうだけでは よめないんだよ(よくみてね・シッポとか)
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朝イチで バナナケーキが焼けなんだ バナナちょいやば 今日じゅう焼こう
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山ゆりは鮮やかに咲く堂々と 酷暑の中で我が正義と
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ゴロゴロと雷鳴のする夕刻は梅雨では無くて小暑そのもの
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男女って所詮しょせん脳内違うもの だから気持ちをゴリ押しできない
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ただの「七夕」ってだけで言葉が湧いてくるこの不思議さ
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星のよう 輝く貴方 私とは 何が違うの お独り様ね
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ハイテンポにタイプされた文字たちを届け想いよ頼んだぞ電波
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ドムドムもトポスもみんななくなった キミと歩いた桜木通り
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紫陽花は満月のごとさやけくて七夕星の逢瀬を照らさむ
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