足早な 思い思いの 夕暮れの 人の列にかかる 秋雨の寂しき
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秋の道 落ち葉舞い散る細き道 今日もてくてくゆく君のあと
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一通り動いて体温まり着替え促すズルいな親は
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丸めたり伸ばしてみたりする背筋 尺取虫になった寒空
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マティーニに 砂糖を入れて 飲む君の 意味ありげな笑み モンロー真っ青
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思い出す エクソシストを 飲む君の 悪魔祓いよと 笑ったその顔
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久々に 自作カクテル ジンベース 「それは秘密」と 名前を付ける
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でこぼこもない彼の人生を「家庭料理」とののしっておく
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ショーケースかわいく並ぶケーキあり自分への謎のご褒美とする
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超オタク きみの断捨離 始まった お宝ザクザク メルカリ様様
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星空は誰の上にもまたたいて 気づく人あり気づかぬ人あり
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ひとつにはなれないけれど体温は混ざり合って絡まり合って
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詰め替えの増量期間にあたったが その20mlミリ こぼした気がする>ボディーソープ
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きっと一生の友達になると思っていた お元気ですか
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戦利品金の斧と銀の斧金のじじいと銀のばばあ
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寒いので脱走やめと猫の言う炬燵まだかと上目で見られ
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「楽しい」の同意語「嬉しい」そんなんじゃないの気付いて「休みたい」って
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部屋のごみ捨てずに暮らす君なのに人生捨ててしまっていいの
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ぽろぽろと ギターをつま弾く 彼の爪 私の心に 傷つけていく
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人生の次のターンを予測する あなたは見つけないわ、わたしを
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休日の 寝溜めが今頃効いたのか? 夜更けなのに お目々ぱちくり
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バスひとつ逃して次の時刻表、母が婆ぁになるほど長い
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買う服は必ず黒と決めましたフォーマルスーツ保護費で買えない
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何色も染まってくれる君だけどほんとの色をそっと教えて
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東京で咳き込む姉にのど飴をくれたあなたのまっすぐな瞳
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寒さ増し ますます猫の まるまりも どんどんまるく まるまっていく
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ひとひらのゆきの欠片を手にとれば 街の灯りはふたりを照らして
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空調は19度という指示が来たそれもう暖房を動かす意味がないのでは? 雪国にある国立大学
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大企業 「やばい」「えぐい」しか言わぬ 語彙力のない採用担当
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班活動 締切前日も音沙汰なし これじゃ一人でやるのが早い
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