現実に君が好きだと言うけれど 妻子あるのがあなたの現実
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食べきれぬ 親のちまきを 手に下げ トトロみたいね 居間で見たよね
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りゅうちゅう琉球のまぶ眩しいじか直に浴びたくさん沢山みの実れシークワーサー
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ハニーあたまのてっぺんから爪の先まで全て余すことなく食べて欲しい
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風を避け夫の作る干し柿はスマホ頼りのその時勝負
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親の声 今は幼く 響きけり 前へ進めと 風吹きあがる
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ドラマ見て偶々聞いたクラシックタイトル調べサブスクで聴く
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ころんばん詩を語り合う私たちかつて在りし淡い時代よ
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電気屋のエキゾチックな顔立ちの二十歳で逝った同期のあの
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山の端の夕陽を追うかみんなみに三ケ月浮きて真冬日初日
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何者でないかを先にお伝えし私をわかる手っ取り早さ
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枕をふたつ置いて夢と夢じゃない部分を作る未来都市東京
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ディーゼル車 すすめよすすめ 菜の花へ 変わらぬ青と 思い出のせて
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金ないし 喉も痛いし フラれたが 五か七文字で 切り取れば勝ち
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嗚呼今日はAlexaとしか会話せずいやちょっとだけsiriとも話した
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右と左を間違える見失う正解のない迷路の中で
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今日からは浴室暖房つけようかそらさむくふゆとなるみたいだから
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勤務先の扉に手をかけるたび心で唱え「変身」している
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終焉が  オドロオドロと  迫り来る  進め青年  死はまだ早い 
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あなたなら銀の潮騒聞きつけて砂地に伏せる私察して
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今日もご飯が美味しかった、それではみなさま良い週末を、終末を
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ソナチネが住宅街で聴こえたらもうそれでいいそれでいいのよ
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体温計握りしめたまま寝転がるスマホの電池残量もなく
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アズールの空をうつろに見ちゃダメよ仲良し雲と浮かんだリボン
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電飾の 明かりはどこか 他人事で せめて言葉よ 優しく灯れ
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チビ猫は「ろいず」の おはこが すきなのよ あがるの ちょっと じょそう助走がいるけど
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十二月五日が母の命日で明け方四時に家路についた
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伝えたい言葉が頭でクシャクシャに 紙屑広げても解読できない
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「自分らしく」信じて綺麗に生きてきた 行き着く先は孤島と知らずに
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疲れたら休むだけだと臨済の一喝やたら胸に優しく
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