十年後 頭髪もまた脱毛の 対象となるは明らかなるぞ
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我が幼少 胸毛男がモテていた 今脱毛の対象となる
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生きてたら乗れたんだから龍の背に 必死に叩くでしょ太鼓とか
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半世紀過ぎてようやく古紙に出す宮本武蔵と橋のない川
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父を見て生き甲斐を持つ大切さ 包丁研ぎを横からのぞ
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昇降口夏のプールに合宿棟 浮かぶ風景君との想い出
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目ハッキリ のろのろ台風 まだ遠い ドーナツ食べたい 丸型に穴
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目を閉じて瞼に浮かぶ青い色 キミと見上げた今日の月かも
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台風も進路決めかね立ち止まるどうすればいい僕の二学期
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繰り返し 浮かんで沈む 恋心 いっそこのまま  流れていって 
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かんのわのなのこくおうのきんいんのみつかるたんぼのはなしすきなの
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盆明けの暮れ窓から押し入る熱風に小さな秋を見つける夏風邪
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明日まで 持ち越したくない 喧嘩さえ 愛しくもある 君との暮らし
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せいを終えその瞬間も子に見せず 一人で逝った母の気丈さ
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勧めたもの シルバー川柳 ボランティア 家庭菜園 コーラス歌唱
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仕事辞め時間ができたらこれやれば? いろいろ言って響くのを待つ
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七十を過ぎた今でも現役の父は暇に怯えてるっぽい
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「もし過去に戻れるのなら」 そんなこと考えたって仕方ないでしょ?
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葬儀場作業バイトの張り紙を眺めるいつか作業となる我
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嫌煙もここまでくるとジェノサイド上手く折り合い生きていけぬか/半年前まで愛煙家
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図書館で短歌本返したが短歌古本もらいて帰る
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我が脳の回転鈍くいやになる何をもたもたしてるか!急げ!
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「巴里は燃えているか」を重ね聴く 女房息子は「またかよ」と言う
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父が遺す旅の記録を母と読む父らしいねとうなずくふたり
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同地点たどり着く今姿のみ変じて遥かな道歩いた
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駅ビルでばったり出くわすアノヤロウ北島よりも超!目が泳ぐ
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ラジオから ヘビロテ聴いた「アンジェリーナ」ボリューム上げるわれJKなり
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「しあわせは 歩いてこない」かもしれぬだけど歩いて行くには遠し
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宮内庁インスタに咲く花々に「はるかのひまわり」見つけて涙
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来たらヤダ 来たら長く居座るの 嫌な友達に似ている台風
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