人生に価値を与える君と思う 静謐甘美秋暮抒情
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不定期に嫌われるのも余生です 傷つけ過ぎた半生なので
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ロキソニン効いてるうちに ピーラーで 大根ひらひら 今夜も鍋にて
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けんこうに きをつけようね かんもうき換毛期 ねこも繊細でりけーと きせつのかわりめ
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真夜中に チキンラーメン(ときどき)かじるキミ そんなんだから血圧高い
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弟をマウンティングの夏休み兄は魔王だむひゃっひゃっひゃっ
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雪だるま壊して丸め雪合戦可愛そうだと泣いてるあの娘
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かっぱ橋行って包丁買おうとも料理がうまくなるには遠い
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寒気して葛根湯を注ぎ込む君に看病してもらいたいけど
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あの時になんで短気を起こしたの冬の夕暮れ君に対して
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タバスコとホットチリの区別がな言う父の声戸惑いの顔
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不幸でも 気にはしないさ 明るくて 楽しく生きる 秘訣は一つ
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怒られて 注意されても 切れぬよう 仕事は仕事 生きてゆくため
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知らなんだ かかあ天下と からっ風 山梨県も 上州のうち
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闘争の傷はいえたか人といふさがをかかへて河馬に噛まれて
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おかげ道 子の泣く声に ふりかえる  神宮照らす 午後の陽ざしよ
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寝返りで外れたイヤホンがかすかに鳴らす溺れたときの音像
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僕が縄文人でもこの紅葉はきれいだと思うだろう 遺跡下の公園で
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母連れて 念願かなう 伊勢参り 母がつぶやく 『神はシンプル』
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冬の休日 工場の煙突が吐き出すのは煙ではなく青い空の素
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きみの閉じた口の線をなぞりたいちょっと上がるその口角も
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風吹かれダウンを着込む我のよこ半袖の小学生通る
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カメの上あごと下あごの重なりの1ミリくらいのズレがだいすき
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久しぶり 聴いたあの曲 気がつけば 涙していた その理由わけ想う
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ふくら雀 かわいらしくて 縁起が良い 冬の寒さをどうか乗り越えて
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五葉松 冬の剪定 合否待つ 感傷浸る 一抹の不安
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「ボート場は冬季休業です」看板の前を泳ぐカルガモ親子に池は広すぎて
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カメが目をつむると瞼にななめ上の線が入るそれが祈りで
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暖色落ち葉の山の上歩くサクサクと鳴り耳触りよき
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赤や茶、黄色、オレンジ、緑まで今年の秋は賑やかな木々
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