音速の貴公子駆けたストレートS字ヘアピンデグナーカーブ
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屋根裏の散歩愉しむ猟奇者が見下ろす景色おのが業かも/江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』オマージュ
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不足した自覚があった未知たちの答えがあった未読の便覧
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蜘蛛の糸 譲り合うなよ つまんねえ 全員平等に 素揚げで食うか
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わかってる「好き」に理屈はないなんて それでも線を紡ぐほど好き
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ボスキャラをチマチマ叩く 感動とかいいからさっさと楽になりたい
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毎日が 何の記念日 何かの日 二日は豆腐 三日は登山
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ポテチとコーラが体をいじめるところを目撃した 何もしてやれなかった
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こんなに向かい風だって言うのにさ、健気にヘアセット。向日葵みたい。
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ステージで光を放つ恒星と胸を開いて見せ合えば闇
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心臓がいっしょの形に歪んでるらしいわたしのいとしき天使
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軽やかに「死にたいな」に飛ぶ夜もある 買ったばかりの服の匂いかぐ
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月無しあなたに会える気がするの 雨音聞いて眠りついたら
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買い物は生きて帰って来れるかのチョモランマまで登る気で行く
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親なんて私死ぬまで居るものと子供目線で確実だった
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もう触れるひとのいないこの身体でも私はきれいだあなたよりずっと
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新刊は半年かけて八万字書いた力作嬉しい厚み
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溶けていくアイスはあなたに指さされ 駅のホームで溺れて眠る
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ワイシャツを濡らす日射しに鼻を突く塩素が下げる体温の妙
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写生はその対象の含蓄まで表現するものである
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値上げ幅 驚く神無 月はじめ ハガキ八十五はちごー 手紙百十 / 未だFAXと封書
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あったかもしれない私とあなたとのハッピーエンドはpixivピクシブに書くね
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神無月木の葉は未だ緑色紅くなるのはもう少し先
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夕方は陽が沈むのが早くなりパソコン画面だけが明るい
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外出ると冷たい風が頬撫でるまだ衣替えしていないのに
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突然の構想外のお知らせが秋と寂しさ感じさせる
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待ちかねた友とのランチ笑い声時折あがり話題は尽きず
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さようなら言ったばかりね秋めいて離れ離れの半袖を出す
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ひとことも言える資格はなくたってあなたの背中を撫でたかった日
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もういやだ 全てを投げ出し海に行き 泡に生まれてゆっくり揺蕩う
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