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秩父事件 石碑に触れる 我の手と その手に止まる 虻の一匹
9
本当のことが八割書かれてる履歴書を安い封筒に入れる
10
ようやっとひと息ついてさて次と 思った頃合狙ったように
7
娘には再検査という知らせあり 自分の時より気持ちが重い
14
週末は 言葉を削り 削られて 短歌は時の 底なし沼なり
8
半刻の羽を休めたこの場所に末永い幸在ること願う
7
不如帰
(
ほととぎす
)
短い寝言に 起こされて 眠れぬ森の
女
(
ひと
)
となりたる
29
シャボン玉 空に飛ばして 消えていく シャボンの中の 過去も未来も
20
見返りはいらないって言い聞かせてる サブリミナル善意が安い
5
新しきスマホ手にして気分一新 いつもの日常ちょっと変わるかも
19
愛すこと愛されることオール1 そんな私が笑えたデイケア
27
なんとなくお釣りが貝に変わってる気がする海辺のコンビニを出て
23
ふるさとに住み続けての沈丁花
(
人はいさ 心も知らず ふるさとは
)
花ぞ昔の 香ににほひける 35/100/ 紀貫之
12
草原の よもぎを摘みて 餅と練る 手の香に浮かぶ 亡き母の笑み
24
ドトールのソフトクリーム美味すぎて分かっちゃいるが週5で通う
24
外来種 桜を内から かみきりて 春のアーチの なき新年度
7
話すたび喧嘩の材料だけ溜まる ぶつけてしまえば割れそうな気がして
3
収穫の 麦の穂 雨をしっとりと含みて重し 純金のごと
7
青竹を 踏んで作った 自慢の麺 人まで踏むと 口コミにあり
6
許せぬと忘れずにいた数年を捨てて知るのは忘却の強さ
6
小満の候とは言へど肌寒く仕舞はんとせしセーターを重ぬ
3
ひらめきのパワーストーンを着けてから駄歌ばかりがポンポン浮かぶ
20
百四十円の ソフトクリーム イオンにて おひとりさまを 楽しむ安いババ
8
200回こねるつもりの納豆も150あたりで飽きてあれにならない/あれって何?
10
i
P
a
d
フィルム貼る手の危うさよ 千二百円の特売なれど
9
鉄橋をかすかな音たて走るのは過去と未来の往復電車
8
きのうきょうあすの区別がつかぬ日々 薔薇園の
香
(
か
)
は肺をゆらしをり
14
烏森神社も見過ごす赤提灯 鬼火の如く路地裏照らす
9
曇天の列車の窓に赤ワイン置いて霞の富士山を待つ
20
梅雨の音の手紙の届く道の隅空へ広がる蒼き紫陽花
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