生まれつきひねくれている梅の木よ 蛇になるわわたし這うわ
10
胎内に揺蕩う水はほのあかり ひとつに揺れて春を見ている
13
席替えで窓の近くはなれないの 空ばかり見ちゃダメなんだって
11
Reach for me 桜貝拾う 染むる指先 Ripple ever cherry 私に触れて
4
菜の花や 真宵まよい飲み干す 黄の波に
7
過ぎし日に 土筆の袴 子らと剥ぎ 湯がいて食した春の味わい
24
玄関先で 靴揃え 来たる春への 足並み揃え
6
もうやめろ 母とか犬とか海だとかあの日の彼女を思い出すのを
4
今はなき 人の温もり 聞くチャイム
5
山笑い 頬を染めゆく 桃色や
6
Blossoms 蒼きひとみに こぼれちる いにしえの花 なごりの風に
5
散る花と咲く花ありて弥生末 じゅんさい池の鴨は羽ばたき
28
機種変の 逝きしひとの名 ゆびに触れ ふるさとに聞く 在りし花の香
6
手の冷ゆる 彼岸の午後の 徒然に 甘めの紅茶 時かけて飲む
20
ねびまさる 川井郁子の ヴィオロンを 直(ただ)にし聴かず 春さりにけり
12
焼きすぎて 硬き餅(もちい)を 詫びながら 鶴屋茶房の ぜんざいを食む /鶴屋八幡餅付きぜんざい(鶴屋茶房)
10
塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
20
春風に少年は駆けるよああいまもむかしもさあいけ何がなくとも
4
役割を終へし器物に ねぎらひの気持ちを添へ そうっと芥箱ごみばこ
26
一人城 引き揚げてきた三男の 荷物が我が家の居間占領し
20
わが旅は葉ずれの音の合間より太平洋をはるかに望む
18
足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
19
興冷めなプラのちょうちん連なりて 地域振興さくら祭の
18
子どもらが 欲しいともらった 風船を すぐに手放し 手を振り笑う
5
おむすびをリュックサックに放り込み 勇んで来たがまだ一分咲き
21
才能があれば書けるし才能がなければ書けない 諦めなさい
5
晴天から俺を四六時中監視する何者かを見返す目は無い
5
しなやかにうつろふ水を見つめつつ流れの果てに夢を解き放つ
9
わくちんを すませてやれやれ つかれたね うでまくらさんで ねんねするニャ
20
春風よ いつまでも疼くこの心 そっと包んで 癒しておくれ
27