北風が 体を冷やす 晩秋に 祖母のすいとん 蘇える味
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入り口を探すも八苦スクロール 苛立ち調整「年末調整」
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買い溜めのビールが全部なくなったもうこれからはお湯割り一択梅入り焼酎
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水瓶座 探してたのに いつのまに 今日の占い 魚座をさがす
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思い立ち電話の向こう寝込むに行けぬもどかし心は募る
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いつだって 年下の彼が 背伸びして キスの時だけ 私が背伸び
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こんなにも小さき国に季のふたつ 南に野分 北には雪と
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夜も更け テラスで星を 眺めつつ 珈琲片手に 波の音聞く
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月曜日 右手に包帯 巻いて行く お前も見たの? お前らもかよ
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昼休み空を見上げて伸びをする守衛さんへともみじ葉の降る
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誰よりも早くコタツにもぐりこみ寝息をたてる猫をなでたり
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窓をけレモンソーダの泡が立つ酸っぱい顔で笑い出す夏
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紅葉が一気に進む寒さかな 母のもとには あったかスープ
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殺すぞ、と言った眩しい君の目が私を見なくなるそれまでに
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シャガールの青のような歌が詠みたいそれがなんだかわからぬとしても
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鴨川のもみじの赤と清き水きょう手術日を決めてきました
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対岸へ最後の一歩踏み出すの怖いと言って突き飛ばしてよ
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こっそりと ストーリーズを 恋文に バイバイのあとに 載せた髭ダン
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路地裏に落ちた金木犀はやがて夜を照らす銀河になる
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カフェオレは僕の頭痛の救世主 溶かす粒つぶシャカシャカシャカッ
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薔薇のトゲプチッと取ってツバつけて 鼻の頭に可愛いピノキオ
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昨冬さくとうの使ひ余り ハンドクリーム り合はす手から ココナツの香
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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枯葉舞い いよいよヒーター 点火して 冬が始まる 霜月の晩
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前列でうたふ合唱出られずに上の子臥せる部屋からの咳
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喧噪にひとりをおもひ一人にて家族をおもふ夜光虫とぶ
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時間差で押し寄せてくるインフルの見えない波におおはれる家
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星屑の金木犀と冬隣 君の誕生日、儚く終わり
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やりたいことが多い やり切れたかは聞かないであげて
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届かない想いをゆっくり咀嚼してあなた私の血汐になるの
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