金木犀の香りで秋が来たと知る もっと温度とかで気づきたかった
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ちいさい子見つけては思わず目を細める 出会わないからか眩しいからか
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私たち 好きあってるの?そのこたえ 言いたくないな別れの芽生え
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雲の奥あなたの声が聞こえてる 全部あたしを肯定する意味
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頼りなげ 指でなぞれば輪郭をもっているのが少し寂しい
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かみさまに愛されすぎることはないのよいつも隣りに居て良いし
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歌だけじゃなかった君の饒舌は今季の寝巻き、教えてくれた
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この世まで落ちているのだ 天使の羽なんて軽くて飛べないだろう
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人間を脱した様な言い方で生活保護を下に見ないで
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連休の 最終日 駅前は スーツケースが コロコロと泣く 
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もう二度とぎゅっとされなくてもいいよ ちいさなわたしをぎゅっとできたら
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死ぬ事は平気ですけど気がかりは母の行く末、子供の行く末
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思ひ出は、心の花の泳ぐやう。言葉の雲を縫ひつけるやう。
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ひさかたの宇宙そらのお誘い「アトラス彗星」ひとこと輝き放つ
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もうダメと わかっていても もう一度 無くなりかけの ソーダストリーム
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忘れゐし人の名を思ひ出だす時 借りし金のことも思ひ出だしき
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暗闇に浮かぶ灯火はあの子が真っ昼間から掲げていた火
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当面の目的地すらわからないからとりあえず灯火に寄る
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コロナ去り君初めての秋祭り 一匹掬えた金魚すくい
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片思い きれいになるわ 振り向いて 飽きがくるほど 私だけみて
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赤々と花の残れるダリア掘る明日の気温は0度の予報
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傍にいる 例えば君が傷ついて啜るスープを混ぜる役とか
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かおりちゃん何をしてたのいいけれど既読がついて安心しちゃう
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子どもらの視線の先に見えたのは 夜景の中を走る急行
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だんだんと知らぬ言葉が増えていく流行はやりの埒の外の住人すみびと
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とこしへに手のとどかざる輝きよ 僕を濡らして星のしづくよ
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おごそかな無垢に打たれて傍らに腰をかけても構いませんか
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ゆうがたは チビ猫 たかいまどぎわで ゆうやけ夕焼け・ながめる あきは ゆうぐれ夕暮れ
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連休は母の小言が怖くって帰んなかったが少し後悔
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妄想に 耽りながらも 詠んでいく これも今だけ だと思いたい
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