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平和の世ねがふ口もて謗るわれこころ
刃
(
やいば
)
や鞘ぞいづこに
16
花や散る 移ろう影の
溢
(
あふ
)
れふる 嬉し幼な子 錦の衣
7
病院の待合室みな健康に前向きなひと治そうとしてるひと
8
「子育てのやうなものだ」とAIに魂吹き込む哲学者をり
10
「優しい」が擦り減らされてゆく我の心を知るか父の瞳は
29
慌てずに指紋を消して血を拭いてあとは凶器とホトケの始末
9
参られる側にお前ももうすぐになるんだという墓からの声
11
春の色 愛を奏でる 歌う野辺 揺らぐ春の陽 黄色一色
6
微笑んで 悪意はないと 言うけれど 目の奥ひそむ 毒の棘が光る
6
春の色 春を奏でる 歌う野辺 黄色一色 春の陽射すや 春一路
4
国であれ 人がする事 愛憎も 駆け引きもあり 何処に落とすか
15
連休が 明けた雨の朝 憂鬱を 一手に引き受け クリスマスローズ
9
給食は残さず食べるべきなんだああそれなのにキノコが見てる
17
ドラえもんわさびになって久しいが 母の声マネ変わらずのぶ代
19
猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
24
一人
背負
(
しょ
)
い二人はバギーで「こんにちわ!」細い身体でたくまし 母は / 娘
50
休憩室。クッキーが置かれていたティッシュ。一枚一枚片付けていく。
4
残された夫の動画ひとつ 何度もスクロールし 声聴きに行く
18
取り出して 眺めて聴いた 「レクイエム」 モーツァルトの 最後の手紙
17
抽斗
(
ひきだし
)
の整理 宝探しの如 失くしたはずの 記念の硬貨
26
西の窓 沈みゆく陽を
愛
(
め
)
でた夕刻 今家々の屋根が遮る佳景
18
本当の ことを言っても 信じない 信じたいこと 信じる人たち
4
天道虫飼うと云うからアブラムシさがす菜の花畑の朝に
16
恋人と呼べずに去りし人送る横浜駅のやさしい雑踏
16
池の島松ヶ枝に立つ白鷺に 射竦まされて暫し動けず
24
混雑を 避けて近場で 見物す 呼吸ひとつ 花が満ち足り
15
川べりで 白鳥送る 人もなく 声のみで知る しばしの別れ
15
早起きの ベランダ手摺り ぬれてゐる 昨日の雨を 僕は知らない
16
鳥雲に追いかけるように二人して北へ北へと恋の逃避行
9
貧しくも思いは高くと言い訳し株は疎くて
短歌
(
うた
)
に溺れる
35
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