毅郎の変わらぬ声と帰宅する左の目には秋空流れ
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ひとしきり達成感の棚眺め足早に寝て終わる連休
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どんくさい自分ワタシに一番言いたくて 「焦ると転ぶよ ゆっくりいこう」
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あごのせは あんしんしている しょうこ証拠だよ ちま猫ちゃんは おかあちゃんのあんよ派!
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故郷の、君無きさとに 蝶は飛ぶ、荒れた庭にも 咲いている花。
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うちのが 夜中鳴きたる 神無月 寒き感じて 布団に潜る
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暑かった夏はしつこく残りけり 今日も再び夏日の予想
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虫嫌い 肩に留まるは秋茜あきあかね 蜻蛉とんぼならば、と緩む妻の目
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彗星の「アトラス」テレビで見る夕べ足の自由を願わず暮れる
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いつも名前を思い出せない花がある 別名は曼珠沙華
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また連絡しますね。使い使われた言葉がまるで遺書のよう
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眠れぬ夜 まるで百合みたいな言葉に囲まれ窒息の心地
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三錠半半の薬で構成される身体からだ明日あすは海へ
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隙間風の音を子守唄に 冬用の言葉を抱きしめ眠る
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清宮と 北山のなみだ 星のよう 最下位をしる 者しかしらぬ / ポリー星
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名曲流る曇りガラスの珈琲舘 一人座の吾の落ち着ける場所
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この道のつつじの花は 時もなく いまをさつきと咲いて迷える
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帰省せし娘は妻と大鰐へ、スポーツの日に温泉だとか
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あんまりねいじめないでよ僕だって生き物なんだかよわいんだ
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神無月 夜の静寂しじまに 月明かり 窓の外には スーパームーン
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恐ろしき運転なれど我が娘 助手席座る 責任ありや
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初心者のマークを付けて颯爽と 運転席に乗る 三女可愛い
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空元気装う君の左腕にSOSと書かれていたのに
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ふわり咲く あの日の少女 寄り添いて 母の傷には触れで微笑む
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けささいた あさがおまばら ななつやつ きんりんじゅうたく あきやもふえて /レイソル市
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放課後に会話し歩く雪の道エーテルに似てやわらかかった
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金木犀の香りで秋が来たと知る もっと温度とかで気づきたかった
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ちいさい子見つけては思わず目を細める 出会わないからか眩しいからか
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私たち 好きあってるの?そのこたえ 言いたくないな別れの芽生え
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雲の奥あなたの声が聞こえてる 全部あたしを肯定する意味
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