あの人たちは知らないでしょう 私が毒も煙も吐くことを
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心から貴方を想う十三夜 想いつづけて耽る星空
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待ちわびた金木犀の花咲けど嗅覚退化香りはかす
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子が帰る 巣を整えて 送り出す 半人前の 親を目指して
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一冊の 本を読み切る 達成感 それくらいが ちょうどいい
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矢継ぎ早切り裂く同志考えて見た所では何も知らない
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嫌うのは訳などないよこれ以上好きになってはいけないからだ
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スクワット お腹引き締め 尻ほぐし つま先立ちに あぁ忙しい
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久々に 自転車乗った 風を切る 気持ちいいこと 忘れていたよ
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深夜勤 休憩時間に見上げれば 秋の夜空を 三ツ星昇る
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カーテンをめくってついつい何度でも良かった有る有る十三夜の月
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徒競走 転ぶ孫見て 立て立ってと 叫びつつああ もろき涙腺
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ツヤツヤの紅いすべすべ りんごいっこ 今年一番の美人さんだねぇ
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ねこのは やみのなかでも バッチリよ ちかくのものは ぼやけてみえる
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君の棲む、天国行きのバス停で 君に良く似た人を見かけた。
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片思い 話せば喧嘩 するじゃない タコ踊りして 笑い合おうよ
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カァーッ!ペッ! 駅で痰吐くオジサンが令和の世にもいたとはショック
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選挙カーけたたまし声五月蝿くてそんなことよりご飯食べたい
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人を絶ち静かな部屋でなお思う虎渓三笑かつての友を
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ひと雨の後に吹く風心地よくまた彼の場所を思いだす季節とき
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金木犀不憫なりあゝ不憫なりトイレの香の芳香剤よ
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腰痛いもう歳なのかいやいやと鞭打つ老体立ち仕事にて
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生きづらい行きづらい息つらい会社に電子タバコ持つ 無敵
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金木犀きんもくせい 香らば四十路よそじはすぐそこに 師走しわす憂いてしわ眺めしは
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涼しいと感じる朝のキッチンで腕を見てみる蚊が付いている
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火事だぞとあわてて風呂場の水くめど 火柱に桶 無理だとさとる/物名歌
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秋ひとり山辺の底で飯を食う反芻するのは昨日見た夢
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コンクール親御さん達一斉にカメラを向ける焦点は子に
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悪玉はここにかしこに鎮座まし席の隣にお腹の中に
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10月に申し訳ない気持ちだけ カーディガン着て汗をかいてる
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