ママいない爺と手つなぎ遊び場の手のかたちした紅葉を拾う \ 三歳
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未明夜 ハンドル握る 振動と 今日の長さ 寒さに冴える
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肌を刺す 冷え込む師走の冬空に 氷のような 有明の月 
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栗の身の、刺ある服に、守られし、美味しく熟れて、食卓飾る。
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マーシャルに戒厳令(martial law)と保安官(Marshal)。スペルの違ひに今さら気づく
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後向きな気持ちを励ます曲にしたスマホアラームの音 優しくもありザンコクでもあり
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まずまずの出来と思えど許されず師匠の筆を入れられる紙
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手を合わせ寒し寒しと言うまではお百度を踏む階段上り
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亡き父の真面目に生きろという声が遥か遠くに響く冬空
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震えつつ巡る真冬の魚市場売り子の声と行き交う人と
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飛び出した子ども捕まえ注意するその後ろにはクリスマスの灯が
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キラキラと光る星空冬の星その下歩くふたり手を触れ
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寒椿何度でも見て触れてみる葉の弾力に少し驚き
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恋歌を歌う君とカラオケで二人っきりはやっぱり照れる
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冬の海砕け散る波波の花東尋坊の風は冷たし
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緑児の泣き声響く保育室親御は預け急ぎ仕事へ
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十二月の十のところで鳴るような楽器が欲しい見つけてください
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友達のふがひでひがふ 非道徳
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同じ背と同じ目線で生きたなら泣いて叫んで逃げ出すくせに
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同じ背で同じ目線になれたなら今よりもっと寄り添えるかな
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耳澄まし森の鼓動に触れてみる木漏れ日の中ゆっくり一人で
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優勝旗こんなに重たいものなんだ頑張ったんだキミも私も
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「ケーキね!」とキミの返事が跳ねるから私のココロ弾みっぱなし/優勝報告
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決勝の監督席から見る背中ただ手を合わせ祈る祈る/県大会初優勝!
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天然でちょっとマヌケな娘からお茶を吹き出す名言が出る
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カレーにねイソジン漬けは嫌いなの。そうね確かに色は似ている
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忘れじの 燃ゆる想いよ 散り紅葉 もう秋も来ず 燃ゆることなく
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きしゅうけん漢字で書けに『奇臭犬』真面目に書いて笑えぬ辛さ
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「でんでんむしむしカタツムリお池にはまってさぁたいへん」娘よスルーしそうな出来映え
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いくときに ひもじいおもい させたので ぶつだんならべる。 くもつはへらぬ
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