そうなんだ 神経質な 人たちが 世界を暗く 陰鬱にする
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ピリピリと 真面目な人が いるときは 私は逃げる 見えないように
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春風に散る花びらを追い そっと受けとめる 優しい貴女の手
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転がった サッカーボールを 蹴り返す ただそれだけで 怒られました
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暴力の 中で育った 少年は ひどい言葉も 甘い甘いと
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死にたいと ポツリ呟く 少年の 悲しい目には 灰色世界
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秘匿の園に客人が来たときの魔法 笑顔で「いつかお話しましょう」
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真夜中にいかづちとどろき起こされて稲妻走り真昼の如し
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死に場所に船を選んだ人おもう 最期にうつる海の青さよ
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雷鳴と 共に激しい 雨が降る 春本番が 突然来たあ
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稲光 轟く音に 何事や 原子爆弾 これは春雷
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パンと珈琲の香りが誘う猫の道ハイソな彼の秘密の隠れ家
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テニスボールはっきゅうを追いかけすごす中学の師と肩を組む卒業の空
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夢枕 愛しの君は薄情でわたしはやっと忘れられそうよ
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きみたちはなないろの種 列を成し未来をつめたランドセルがゆく
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朝のたび生まれ変われるとするならばわたしは今日は草木の香りに
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通過儀礼 そんなものはなくたって 認めてあげなよ 不肖の友なら
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土手の橋 対岸から行く君の方 イルミ観ながら飲んだチューハイ
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日暮れまで 土手でアカペラ君の歌 渇れた涙が溢れてきたよ
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春風に ほぐれたらいい 何もかも 寒さも空も 蕾も君も
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コート脱ぎ肩甲骨を一回し気張ったところで お腹ゴロゴロ(腸が弱点)
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夜9時に息子と共に寝たはずが目覚まし気づかぬこれが春眠
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たかしくん 貴方の歌は美しく わたしの唄は醜いのだろ
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命日に 毎月貯めてるこのかねは 俺の命日しぬひの葬式代だ
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他女たにん抱き 独りよがりのほぼレイプ 気持ちわるいし 満たすもの無し/ごめんなさい
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「諦め」という名の鎖身をよじりほどいて泳ぐ小魚の群れ/中島みゆき『ファイト!』
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誰がための日曜昼間のど自慢祖父の知つてる歌は流れず
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雨の日の 庭の紅梅ハラハラと 花びら散らしその潔し
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人生の終まい方なぞようわからん乗り合ひバスの翁等笑ひて
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難儀せしe-Taxのご褒美か。税務署よりの還付のはがき
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