去年の夏 君と交わした 約束の 日が近づけば 眠れぬ夜に
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確変で ラッキートリガー 引くような 仕事運なら 安泰だろな
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値段など気にせず近所のスーパーで買い物済ます体調悪い日
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値段など気にせず近所のスーパーで買い物済ますほどの暑い日
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連日の 猛暑で売れる かき氷 しゃかしゃか削る 夏の風物詩
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おずおずと熟れたすももを持ち上げるように抱いた幼いぬくもり
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夏野菜煮るとなんだかオシャレ飯 メニュー名は『なんか煮たやつ』
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友達のBeRealで微笑む君の その服私があげたやつだよ
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知るよしもないまま失せた慕情にはわたしに宛てた恋文あるか
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みなしごの懸想のふりでそっぽ向くだって幼子あなたのせいだ
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本当にずっと一緒と思ってた 夜道に気づく“ずっと”などない
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いま言った言葉に嘘は無いけれどあなたにだけは言いたくなかった
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幸せになりたい とかじゃなく君と同じ鍵穴回したかった
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この本は何時読んだのか忘れてたとても悲しいお話だった
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バーゲンのプチプラワンピ衝動買い 酷暑に萎える気を持ち上げる
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サイレンで道かき分ける消防車ダックスフンドも見届けている
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「プール行くよ」 俄然躍動、我が息子 塩素は毒だと誰が言ったか
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紺碧の空をキャンバス一条の飛行機雲が夏を彩り
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日焼け止めはプールの隅で抱きついた母の匂いだ 夏の匂いだ
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汗だくの缶ビール撫でる扇風機 ゆるゆる過ぎゆく夏の夜かな
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路地裏に巡らす浮名秋の仔をそこな御許よ我に賜はん
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夏なのに指のささくれひどいのはああ親不孝にじむ血を見る
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ひとづまと おそばをたべた そのむかし 相席おじさん めくばせかわす \なつのおもいで 無罪︵笑︶
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囲む木々蝉声せんせい注ぐどこからも情緒も淫ら恥じればいかが
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美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
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バスを降り 紅き白粉花オシロイバナ香る 蝉時雨と 夕涼みの月と
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なつむしの エコー︵残響︶ながなが 尾をひいて みみなりみたいと ひるねにおちる
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消えた火から 煙が月へ 昇るなら ずっとみていよう 満ちても欠けても
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あの人と巡れる夏は自らをずるけられない私のいる夏
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多様化の 社会の波に 揉まれても 自分の足で 歩み行きたし
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