ザンバラとぶっきらぼうに枝は伸び空が刺されてとても痛そう
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冷たくて白く光った秒針よ刺されもしたし刺してもいたし
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数本の床に絡まるケーブルよいろいろあって今があるんだ
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魂に鉛が取り付けられている 目には見えない疲労の質量
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この木には赤き小花ぞ咲きたると思い起こさる春の小径ぞ
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棄てられし瓶が割らるる音を聴き 四月の風邪に喉を灼かれて
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街中はネオン渦巻き我らみな訴求の海に溺れゆく貝
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吹き返す花の盛の明日香風采女の袖や香らせにけむ
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幾世経ぬ奈良の都の八重桜落ちこそ積もれ礎の上に
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嘘つけど大した嘘にならなくて大人に成ればただの平日
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新聞の人事異動の一覧に探してる君の名に逢いたい
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青い空 満開の桜 右手上げ 空にむかって 君の名を書く
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エイプリルフールに交わす嘘が嫌い SNSをそっと閉じる日
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「マイアプリ」ギガの確認取り込み中取り込んだまま四月を迎える
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やったあと言ってないとか忘れてはこともなさげに言うやつばかり
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仕入れしてまた仕入れして売っていた在庫一掃閉店セール
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嘘つきにダマされやすい人なので四月馬鹿とか致しませんよ!
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許すとか許さないとかじゃなくって猫に恥じない暮らしをしよう
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土の匂いあふれる春の道行きは冬になくしたものばかりみる
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言い訳がきかないほどに春になり車窓には青白磁の空
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エイプリルフールに出会ったぼくらは嘘を投げ合い生きる運命
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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花染の衣着ぬ人なかりけり嵐の山に桜狩りして
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旧歌人らはサンデーモーニングと同じ考えが多い 世間とは違う
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平等や平和人権ことさらに言うは怪しい「悪魔は天使の顔をしている」
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波来れば波に浮かびて漂へる水際にをりし一羽のかもめ
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細々と星を結んで歌を詠む 今日からここに残しゆく跡
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馬鹿話したあの夜も過去にして明日から大人のフリするんだろ
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記憶ごと桜の色で埋まりそう君の横顔見れないままで
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その角の電信柱を通り過ぎ見えなくなっても見るランドセル
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