この世をば我が世とぞ思ふ望月の 欠けゆくことを知らずありたき
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この世をば我が世とぞ思ふ望月の明日の宵には欠けたるを知る
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悲しみの 有無を言わせぬ苦があれば 有無を言わせぬ快しかるべき
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楽しみの 有無を言わさぬ快あれば 有無を言わさぬ苦もしかるべき
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素晴らしき言葉は一つ廻るルナ このただひとつ大切なもの
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素晴らしきこのただひとつ廻る地球テラ 言葉は一つ大切なもの
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面白き事も無き世を面白く 生きる人には非難囂々
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面白き事も無き世に面白く 生きるに入り用金・嘘・色目しょうもないこと
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八度五分 ぼくのおでこで暖を取る シワくちゃになった熱さまシート
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戦ひを語らずわれら生き得しはかれらを戦はしめしゆゑとぞ
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暗がりに迷いこむ 灯りの存在に気づく そこですべて終わり
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夏の日を希釈してゆく微炭酸 ビー玉にもう手が届かない
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夜の空きわ立たせるためシャー芯をコンセントへと 冷たい火花
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自然とは滅ぼすべからざる敵手 意識に於ける身体に似て
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今はもう 亡き君にあえて 送るメッセージ バースデーは 変わらずめでたい
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根を持たぬ飾られ花は一時の水与えられ艶姿えんしを誇る
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音量を小さくしても聞こえるは夏虫の声家鳴やなりの響き
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投げ捨てた平穏無事に駆け寄ってくれる他人よ「ただいまの距離、」
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あはれなりなどとよむひとあはれなりなどとよむひとなほあはれなり
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嫌われているなと思うな落ち込むな みんな自分を生きているだけ
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DeepLを食んで話す海の向こう 会いたい、時空歪めていこう
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長野産りんごは妙に爽やかで つがるが他人のようで淋しい
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壁伝う蜘蛛に告げたるトリアージ 紅娘ななほしならば助けていたわ
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2番線 特急列車は滑りこみ 町に都会の風を吐きだす
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理解とは愛と離れているみたい受容はそれに近いのだけど
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生きていてほしいというのはエゴだからせめて悔いなく死んでと祈る
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運命の服が死ぬ場所試着室 弔い胸に「やめておきます」
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画面越し 続く夜話し 五月雨さつきあめ
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その道のカーブ過ぎれば未熟さも思い出になる空のなか
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その雨はめぐりめぐりて降りそそぎめぐりめぐりて命に宿る
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