泣きながら あなたを叩く この思い 本気なんだよ 好きなんだから
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帰り道 笑顔で手振る ﹁じゃあまたね﹂ こんな感情 知りたくなかった
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満月の寓話を一人で描き連ね酒折連歌をウサギとしにけり
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君のこと酸素と喩えた日に知った 酸素は毒だ(間違ってない)
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大好きなジュースのボタンに雨蛙 指圧にあえなく臓物散らす
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鴨泳ぐ池のほとりでローソンの鴨南蛮を啜る幸せ
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頼むから忘れさせてはくれないか 思う頭と思わぬ心
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君がいた痕跡さえも消え果てた朝を背にして一歩踏み出す
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﹁YES﹂など もう望まない その代わり 一生さめない 夢を見させて
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気づかないフリがあまりに染み付いて当然見逃したベツレヘム
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奈落前バスを降りて穴眺め 明日こそはと踵をかえす
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さそり座に産まれたことの宿命で毒を飲まねば息ができない
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ウニですね ガンガゼですね ウニですね ガンガゼですね ガンガゼですね
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ゆうべからスリッパ片方見つからず 君がいないと意味がないんだ
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これだけは 自信を持って言えますよ。「そのネクタイは、素敵ですよ」 と。
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ひとつだけ お願いですから 君のの 名前を最後に教えてください
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「不謹慎」「さすがにそれは」「空気読め」面白いんだから仕方がないだろ
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窓開けて孤独を放出してみれば風と寂しさだけが入れり
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見届けるまでが復讐でしょう?さあ落下ボタンを押してください
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檸檬もち力任せに握りしめ 生まれ変わる と呟いてみる
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猫耳の少女が街を駆けてゆく 今日という日の意味を知らずに
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adidasのシューズよ夢へ飛び移れ リアルは銀河を超えていけるか
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ストーブやくるまについていた名前今は呼ぶのも忌まわしくなる
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流氷に乗る初恋は海鳥の足跡消した波に溶けゆく
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海撫でて吹いてくる風は湿ってて 泣いてる君の頰思い出す
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好きなのを あきらめきれず あの人が 集めるペンギングッズを探して
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弾丸の代わりのイチゴ親指で君の胸へと押し付け潰す
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季語もなく趣もなくただ寒い方の地獄に手を掴まれる
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誰一人望遠鏡を持たず来た四人でビール手に午前二時
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指先を順に狙うは拷問とほぼ変わらないことしてる冬
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