鳥の声空に転がる銀の鈴奏でる人のしき指先
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幾度いくたびもうねり伴う一日の耳に残るは淡き鈴の音
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人間を傷つけたくはないのだが制度の顔をして立たれると
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百円の 恋みくじにも すがりたい
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変わる時代に 残り続ける ビンラムネの ノスタルジー
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今日という 昨日の明日を知らぬればこの初雪は ひとみ濡らさず
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木津川の 水面に映る薄暮から吐息に霞む 白い暗闇
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もう一度あの人に会えますようにピアノをやめるニキビを潰す
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君のこと星空と同じぐらい好き 君はあいつをどれぐらい好き?
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君の願う 優しさがとても冷たくて 泣きたいときに泣けたらいいのに
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「この服を着こなせるようになりたいの」  誰のために? とは聞けなかった
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僕だけに見える天使を捕まえてまぶたの裏に閉じ込めたいよ
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胸の奥 燻り焦げた匂いなど どうか気が付かないでと願う
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今晩はあまりにも幸せだからお星様まで手が届きそう
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大好きよ 今日も明日も明後日も その先はまだわからないけど
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あなたにもいろいろあったのでしょうから生んでしまったことは責めない
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一日は等しく皆にあるらしいTime is Moneyどこに落とした
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人生は暇潰しだと笑いつつ一日一日ひとひひとひを色彩と生き
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一日の長さと濃さは違うらしバーミリオンの生描くひと
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走りゆく特急電車の音だけが救いだろうか 明日は晴れです
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夢みたい あなたを好きになってから自分のことも好きになれるの
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秘密だよ わたしがクラゲだったこと 橋の向こうまで海だったこと
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「焦がれ香」たぶんきみも好きなはず言葉に色挿し綴る便りに
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余白には白群びゃくぐんのきみまだ知らぬ焦がれし原野を耕している
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赤い日の 夕暮れ二人 君と僕 頬が赤いのは 夕日のせいさ
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貞子さん振られる予感秋の雲コーヒー二つゆっくり冷める
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たえざるは風に吹かるる公孫樹―だいだいの子ら、蝶になりゆく
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椋の葉に磨かれよ君、人間が この惑星飾る寶玉爲れば
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花の雨 カーテンコールに降り注ぎ 跪くしかできない僕は
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とは言えど在るものはみな在るだけで誤りであるような気もして
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