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トニックを力一杯拭き上げる店主無口だいつもの床屋
6
あえて言うことで引かれる境界にわたしときみは浮き彫りになる
4
この街のかつての栄華を知っているシャッター街であくびする猫
9
もしかしてマッサージチェアいりませんか近所のママにお下がり強要
9
地をたたく 雨に追われて 軒先を 借りればすでに 晴れを待つ猫
9
もみ合いの湯気立ち上る「難追殿」裸男の汗しぶき舞う
13
食って寝て、また食って寝て食って寝て、冬眠腹空きを覚えず
3
幸せは目に見えないと言うけれど つないだこの手たしかなカタチ
21
責めている君の心に少しでも 明るい声を聞かせてあげたい
19
街路樹に風で倒れた水仙が並ぶ如月春はすぐそこ
8
慣れぬ朝 慌ただしさにすでに果て まだ倒れまいと靴紐結ぶ
6
夜がもう知らないうちにやってくる 明日は満月パレードがある
5
猫の日も 残業ありて 遅くなり さぞ待ちかねる 我が家の
猫
(
こ
)
たち
6
興味ねえ〜 きみの彼氏のことなんて ましてや指輪のいきさつなんて
6
道端の名も知らぬ花露濡れて 傘かざし雨宿りさす
5
垂れ下がる嵐の牙が穿つのは青いクルミとかりんだけでいい
4
ぼくも今トトロに出てる男の子みたいに傘を君に差し出す
7
狭隘
(
きょうあい
)
で豊かなはざまテンソルが見落とし消えたコンテクストは
3
実家にもオヤツを持って帰ります タヌ猫がいて 写真の長女猫
(
あのこ
)
と
8
どんより雲の下、快特は定刻より遅れ、赤の車体を次の駅へ、疾走していく終点まで
3
帰りの電車も混み混み、みんな立って今日も帰宅だぁ、雨降り寒い日
4
こんなにも日々生きるのに手一杯だというのにもう春一番
7
ふた文字の言葉を君におくります ひとりよがりの恋のあかしを
6
渋谷駅 きみの飾られる額縁を直視できない僕はなんなの
4
アイドルや芸人よりもユーチューバーヒカキンだけは「さん」付けで呼び
3
地下鉄の電車を待ってる五分間 隣の君が遠い気がした
7
ちいさくてかわいいきみの肉球がずっとあたたかであることを願う
9
ニャンニャンと もうひとつニャン で猫の日 色んなとこで 目にするにゃんこ
6
春雨の露を落とした君と僕 柔らかい花と二煎目のお茶
13
幼子の未来へ踏み出す足どりに子や孫の過去探してみている
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