ロマンスと地獄の間でシャトルラン 中央線から夢がはみ出る
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いつになくあなたが隣にいて欲しい沈むようなキスして欲しい
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人ごみを縫う少年は飛び石の傘また傘へ風邪をひくなよ
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紡がなくなってしまった言葉らを 弔ってくれる誰かは居たの?
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さあ海におなりなさいな朝まではそんなもある防波堤になる
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「なんで逃げないの?」と軽く訊く君もまだ逃げないでそこにいるじゃん
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こんなにも小さな画面に閉じ込めて 触れられそう、と 思ってしまう
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セブン前友の奢りで日清のカップヌードル湯気までうまくて
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わたしたち 思想の渦に吸い込まれ たらこパスタ 弾けるピンク
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この目などつぶれてしまえ 輝いた君を見てると、さみしいなんて
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逢いたくてアルバム広げもの言わぬ家族友達寂しさ去りぬ
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病い得て幼児にかえる姑は哀しみ憐み愛しみも似て
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雪道に張り付く紅葉ぱらぱらと秋のパズルが外れるように
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やわらかな雪のことばを風が聞き飛行機雲の行方はいかに
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きみの手と 音楽よりも熱いものは きっとこの手じゃ持てないだろう
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上下巻旅をする気で頁めくるバスからの景色挿絵となりぬ
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いつまでも一緒にいられたらいいね明日は笹で船を編もうね
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伝説の勇者になるのは僕だけどもう少しだけお昼寝させて
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片割れを闇の底から救い出せ出てきたのは汚イヤーピース
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コーヒーの香り アルファベッドのOの文字 偽の植物 足りない電波
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「痩せたら絶対かわいい」 言われると 根拠ゼロのあなたが 信じられないの
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忘れたい君を縁取る細胞を皮膚を染めゆくヘモグロビンを
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窓の外 スマホ落として 「あっ」と叫ぶ あの子が拾って渡してくれる そんな妄想
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視力0.1 ぼんやり見える ハチ公像 あの茶色は きっと君のコート
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屋上からカスタネットを降らせよう音が止んだらきっと目が合う
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行列に下流から並び直すときひとつ自分を好きになります
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さよならの合図のように手を振った紅葉もみじが落ちて地面にねむる
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月満ちて君の片隅我入る浅き夢かなかぐや姫
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真夜中にカップヌードル食べてると孤独が進化する気がしない?
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いいつけをまもれない子はママきらい夕暮れ時にかくれ鬼、ほら
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