岬の浦伊勢エビ老舗並びおり 五千円マーク五万と見違う
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春の土匂い起こせよ井戸の底 はさまるカボチャホイと手に取る
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‪みんなみんな幸せになるひとりだけおいていかれるなんてもういや‬
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蜜月のつごもりがたはささめ雪かたみに苦い夢を見ている
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あなたへの手向けの言葉見つからず思い出見返し夜が明けていく
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秋の日はつるべ落としといいますがでは冬の日はなに落としでしょう
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夜10時一通りやることを終え三十分だけ遊んでみるか(スマホ)
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緊急と不要不急が重なったクロワッサンの膨らみを
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「今日という日はもう二度と来ないのよ」そうやってまた叱られたくて
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卒業歌うらごゑにして春あさくきづなや愛を信じさうになる
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春畑うねる波のよに耕かされ 可愛い芽を出し実る夢見る
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もう何も怖くはないさ 屋根裏のワサビを味方につけたぼくだ
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「すぐに好き嫌いの軸で考える奴が嫌い」なお前が好きさ
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身心をふかく湯殿に焼きいれて麻留田マルテンサイトの剛直を得る
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お飾りに君とあたしを並べてみる 三月の節句人形の手触り
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テレビつけ 観客無し 人居ない 試合をみるよ 番組寂し
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さぼてんを育ててることどうしてか内緒にしてた とげがちくちく
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君が手を よすがに 立ちて来たれども その手離すべき 時は近けり
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茶を少し淹れすぎたので二人分飲んでいる俺 飲んでいる俺
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口のなか 思い出がまだ残っている バーミヤンの餃子 くさいぜ
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結婚をしていてほしいもう今はあなたのことをあきらめたくて
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明日オープン未だ買はれぬ品々にスーパーマーケット明か明かと
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いつまでも世界を好きでいてほしい私の傍で笑ってほしい
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年老いた今この時もこれからも私のそばにいてくれますか?
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眩しくて息が出来ない一昨日の思い出達が喉に閊える
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そんな顔してないでほらこれ食えよ穫れたばかりのポイフルだから
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沖縄に行けばあなたは今度こそ私を選んでくれるでしょうか
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一木だけ花札の如く桃の花 早春に咲けり立ち止まる乙女
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星々の夜空のきはを行くあひだ緩慢なれどかず見る者
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‪ごっこには付き合うけれど本気にはならない好きだなんて言わない‬
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