空っぽの杯に注いだ空想の愛をあおるわ味気ない夜
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かじるたび飛び出していく、バーガーの真ん中のバンズ、あれはぼくです
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わかります触れただけでも 粉雪が君のすべてを成していること
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語られぬ 過去を一つと 呟けど 声なき者に 語るすべなし
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沈む日を そっと見守る お月さま 舞台後半 演目は月
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憧れた 都会の色が あせていく 疲れた僕の 言い訳かもな
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いまだ風つめたく吹けど道のべの沈丁の香にしばしたたずむ
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陽だまりの君が振りまく無差別の春が日陰の私を殺す
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今年こそ 会ってみたいな 久しぶり 三人そろって 春ららららら
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そういえばあの日逃がした蜘蛛の子が糸を垂らしてくれたのかなあ
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やせたいといふをとめごに白菜のサラダつくれば風は春いろ
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眼球とすり替えられた月の石 青い光を求めてまわる
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ラジオから流れてきたるラブソング 心に染みゆく恋をしたから
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お揃いが増えていく度いつか来る終わりが僕の頭を小突く
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なぜなやむものに光をあたへしかヨブ記読みつぐ夜半のしづもり
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いつ死ぬか分からないのにこのままじゃ一人で生きているのと同じ
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八つ裂きになってしまったレシートを踏んだとこから返した踵
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麦わらの帽子の君は揺るがない 強いて言うならルフィに似てる
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捨てられたベッドの恨みを晴らそうと木目がおれを拒んで寒い
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改札がない駅 街灯がない道 首輪が繋がれてない犬 俺
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咳ひとつでひとを殺せるこの春に中南海Zhōngnánhǎiのけぶりは重い
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簡単に言うなよ当たって砕けたら誰が拾ってくれるんですか
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まだギターありますか、って言う君の季節外れの桜のピアス
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友情を言い訳にしたブラウニー 本命だって気付かないでね
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店しまう 時代の波に のみこまれ おろすシャッター 重たい別れ
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情報が 過剰すぎても 不足でも 人の心は バランス崩す
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ぬばたまの夜道をゆけば梅のはな重くぬらして春雨のふる
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おとうとがソ連国歌を口ずさむ 随分レトロな中二病だ
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郵便夫てわたす朝のきさらぎの合格通知のあかるき厚み
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強風で ガタガタ揺れる シャッター街 まるでかなしい 泣き声のよう
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