薄明のヴェールに二人包まれて首筋頬寄せ気付く あ、海
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窓際でお客待つ間に微睡んで夢での君は海の中かな
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君のゆく未来に風が吹くならば 追い風であれ温かくあれ
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卒業のあとからのことは訊かないで 中島みゆきのカラオケを聞く
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雁がねは花の都をたち憂しと雲居のよそに泣きつつぞ行く
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真夜中に握りあったてのひらにもひとつずつ月を分け合っていた
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常に今活写するべき情景は目の前にあって零しているだけ
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朝焼けに鉄塔の影縫ってゆく鳥も気楽に飛んではないよ
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この肌に夜雨を感じていたいのよ夜は短し歩けよ恋せよ乙女
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猫の爪みたいと君が言ったこと思い出します春の三日月
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手紙書く 息子に助言 娘から サンタは外人 カタカナで書け
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五目ご飯 美味く炊けたか味見して よく分からぬと 茶碗一膳
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今はとて霞とともにたつ雁の泣きこそわたれ山の端の空
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春はまた尋ねぞわぶる津の国の生田の森を霞こめたり
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目の痒みくしゃみ鼻水鼻詰まり頭痛肌荒れ滅びよ杉よ
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日付見て小首傾げて頷いて「まだいけるわ」と亭主にだけ盛る
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春色の クッション抱きしめ 立てこもり 蟻さんお前はどこから来たのか
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弁当とジュースを持って はしゃいでた 息子と今は花見酒
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恋心 行き場が無くて 漂いて 川面に浮かぶうたかたと消ゆ
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春の日は 暁覚えず 愛犬も 昼になりても まだ夢の中
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ディテールを突き詰めた末「アラバマで大仏建立のため欠席」
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チーズだけむしって先に食うBとチーズは最後のひとくちA
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人魂の如く闇夜に浮かびしはの照らしたる白き木蓮
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限られた時間の中で抱きしめる いつか君らも求めなくなる
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春が来て君は変わった 僕はもう昨日の君を思い出せない
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援交をしてる娘を叱ったら何思ったか「家でしてやる!」
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カマキリの子供が向日葵の花にいて我が見えるか鎌あげている
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ぼくたちは司法解剖されたがる こゝろのなかの 希望を 死亡を
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三時頃にはほぼ誰も寝てるのだろな俺ひとり起きて番する
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紙魚共が湧いてい出ては走らない入念仕込む仕掛けのあわれ
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