慣れないヒールで爪先が痛いポケットでLINEラインすずやかに鳴る
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自分自身の醜い部分と向き合わずラクしてる人が許せないのかも
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きざはしを寄せ集めたる彼の人のメールマガジン遺骨にも似て
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もう既に失恋してるようなものなのに諦めきれずにいたり
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この先は誰かを殺すだけなのか 他人ひとか自分か ノーモアもういやだ ソーメンそんな男でいることは
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静かだと思えばそれが増していくわたしの城には誰もこない
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熱すぎるうどんとコーヒー流し込み明日にさよならしましょうね
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履歴書の真白い枠に向き合ってもう何度目かな私の人生
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指先が冷えてシーツを泳ぐ真夜中に 光る画面に手を伸ばす
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あの頃は便器に吐いたブルーキュラソーにさえ星を見つけられた
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煙草はこうやって吸うのさほら見て 換気扇の音が響く夜
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夜の冬浮き足立てる梅の紅嫉妬隠せぬ白木蓮よ
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誰にでも見たくないものはあるものあなたはひとつ煙を吐いた
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いつからか取り除きたいこの気持ち値段シールの粘着は残り
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箸落とし拾ってあげてまた落とし皺くちゃな手老いた母の手
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よのなかはあそびをせんとや生まれけんかりがねわたる浮き雲の空
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春となりお台所も水ぬるくゴム手袋も無用となって
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鳥帰る笑う山峰後にしてあっけらかんと古沼の広ごり 
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開けたての煙草のけむの優しさとひきかえにこのいのちあげよう
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五年前夢をかなえて出ていった知らないひとが残したレンジ
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時速200kmの白銀光線Solar Ray 網膜ごと眼球焼き潰せ!
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ただ好きなものを集めてるだけのやつに負けたぼくは言葉をもたない
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生きてゆくことに押し流されていく もったりもったり静かに泣いて
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なにも生み出せないわたしに価値なんてないなら最初から価値なんてない
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雑菌の臭いがしてる 気のせいか オレの臭いか 気のせいなのか
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旅立ちの子等を見送る校庭の別れ惜しむか黄水仙撓るしな
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はなむけにみんなで飛ばすゴム風船 大空羽ばたくことも春の夢
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「離婚したらどっちの名字になるのがいい?」走るボルボの灰皿あふれる
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漆黒の鞄から出す緑の財布「私らしさ」を取り戻す瞬間とき
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うまれると知っていましたきみのこと〝 ソレ〟とは別だが気に食わない
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