透明の貴方はクラゲ猛毒にいつか刺されて死ねますように
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満杯の灰皿に溜まるフィルターと香る柏葉紫陽花の白
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エメラルドグリーンでもターコイズブルーでもない色のアウターを着る
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日に焼けた写真のように毎日の暮らしが奪う記憶が怖い
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土ぼこりを舗装道路にまきあげて雨がぽつりとふりだしてくる
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心の摩擦係数の求め方?見えないものの話をしよう
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どこにでもある名字だと言い聞かせ 君を感じるためのコンビニ
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紫陽花が青く咲いたら思い出すほんのり甘いあなたの匂い
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とてつもない でかさのテディベアになって 疲れた貴方を ダイヴさせたい
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さみしさを誰かの笑顔で埋めるより知らない人の不幸を探す
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おりがみで作る花々うるわしく細部に宿るそこに居る神
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私にね雨が漏れたよ泣いてるの 泣いてないよね私で拭うよ
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適当に優しい温度で湯煎されどろどろになった恋に救いを
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廃屋のカセットテープがすすり泣きだれしも知らぬ異国の言葉が
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青インクこぼせしベッドの天蓋のロールシャッハは愛を語りぬ
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円灯の点滅がぼくを引き留めて寂しくないよひかりの看取りは
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悪党になりたがってる節がある親友まずは銀縁をやめろ
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お手紙を 書くときみたいに 五七五 あるいは弓矢を構えて 七七
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この季節まるではじめてまぶしさが私の思う夏と違って
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知らぬ間に 君を守れる 透明の 盾になりたい ララバイのように
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いつの日か あなたを好きで いたことを 僕は一人で 振り返るでしょう
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願うだけで 誰かの祈りが 叶うなら 世界はもっと やさしいはずだろ
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『愛されたい』とは思わないよ アゲハ蝶 ただあの人を 解りたかった
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君の持つ ひどくいびつな 優しさを わたしはうまく はかれなくって
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震えてた たばこの片手 どんなうた 歌ってたって 君が浮かぶから
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この毒をヒラギノ角は持て余すラグランパンチでぶん殴りたい
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雨ばかり降るもんだから気づかずに始まっていた太陽の季節
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もう使う人も来ないしベランダで雨に晒されねむる灰皿
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源氏説く あなたが着けた埋み火を 消すこと出来ず 今日は切ない
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自力では解決できぬ物事があるんだと知る水禍コロナ禍
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