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窓際でサボテンのみ聞く
郷
(
さと
)
言葉 押し黙り居るはめ殺し窓
1
王冠を被りてターレで駆け抜ける 競り声競り声追い抜けコノシロ
0
さよならと同じ温度の色彩じゃ星の光を再現できない
8
いつかまた私が死にたくなったなら呼吸の仕方をキスで教えて
3
お別れを月の黄金で染めたのに稲穂の海にもならない話
4
酒呑みの宿痾をいだく我が脚よ待てすこし待て今ぞ
闌
(
たけなわ
)
4
レモンサワー呑んだら少し赤らんだあなたの頬をムニッとつねる
2
磊磈
(
らいかい
)
をゲゼルシャフトに嵌め殺す午前八時の丸の内ビル
7
読みし者を殺す短歌を詠みたいと誓って頬張るアメリカンドッグ
3
寒くなり なんだか急に 食べたくなる ほっこりした味 みたらし団子
1
小閑を盗みて歌を詠める時けふのあはひに色にほひそむ
2
雨音の聴こえぬ闇に寝覚むればぽつんと世界に雫落ちゆく
4
七色の旗のはためくこの街にいろいろなるひと虹追ひかけぬ
3
雨の降る九月に傘は置いてきた青いインクで手紙を書こう
4
田んぼには本当に雀が来るんだとおどろくわたし 苦笑いの君
0
何もかも誰かが全部しておくれ めんどくさいよ ダルいよう うぅ
4
1号館、柱の陰に白毛玉 水をあげよう夏バテの猫
1
古本に学生時代を懐かしみ 棚に戻して本郷の町
1
泰平の天下国家を策そうぞ 友の首をも生贄として
1
肌寒いオフショルダーのワンピース 上着を忘れくしゃみを一つ
1
いざ届け 赤いポストのあの向こう 顔も姿も知らないきみへ
1
君からの封書が家に届いてて夢じゃないかと心が躍る
2
だれかれも所狭しと緘黙し持ち寄りたるはさびしさばかり
5
つまみなし 米なし金なし仕事なし 何はなくとも酒よあれかし
2
我が宿につまみなどあるわけもなし それでもうまし ほろよいの酒
2
休日が役割終えて
穂薄
(
ほすすき
)
も熟れ白綿毛好き
好
(
ず
)
きに舞う
2
我が息子、月の小遣い5ドルなり 円安に沸く小さきへそよ
1
レジに並び 二リットルの水ダンベルに鍛える兄の背中を触る
2
残された側は果てない旅に出る 傷は強烈 消えぬ痕跡
4
私たち同じブレザー着ているね赤いリボンで理性縛って
4
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