君が好きと言ってくれた菜の花のからし和えには罪はないはず
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あまりにもピアノの音がやさしくて独りの夜もいいかもしれぬ
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できぬことばかりを数えられている しっかり落とす一日の垢
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ここにこう、こんな形で生まれると誰も選べはしなかった街
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チクチクとてのひら残るイラクサは畑仕事が知らしめる恋
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うそとうそ 絡ませあって 織りあげた 一枚の布が 人生ですか
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人生に意味は無いけどかあさんのカレーライスはとてもおいしい
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モニターで監視されてる感覚で自由に生きると謳う哀れみ
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誰だってむねむねしてるときはある俺のいとこは今やっている
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フロンティア精神っぽいものがある すごく吸い取る掃除機の音
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水道の水痛いほど冷たくて来れない夏を悼んで泣いた
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とどこほる雨雲の帯ながながとわがこころにもなみだふりつつ
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パスコード相違オーバーあと二日にんげんの輪から締め出されます
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「目がきれいだね」と私に言ったけどあなたは心まできれいだね
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抱きしめる抱きしめかえすその時はどうか自分に嘘つかないで
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もう二年経っているのね秋風がきみと見た海思いださせる
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花屋とはまるで娼館 今晩はいったいどの子を買うのですか
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花束もステキだけれど一輪のバラそれだけで我は幸せ
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地下鉄の路線図のようになんとなく気づいてそうな君が好きです
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ヒトという形のものを人にして恋とは魔法なのかもしれぬ
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そのままの君でいいんだ 自らの白さに雪は気づいていない
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きみの熱わたしの熱とまざりあう冬が寒いと誰が決めたの
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簡単にガラスが割れることもある我を貫く君の一言
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霧雨のようにやさしく頭を撫でられて子供扱いをされる片恋
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梅干しが嫌いと言った君よ吾がセロリ嫌いと覚えているか
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吾の中で生まれたがっている命これまで何度殺してきたか
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四つ足の君の擬音は三拍子 焦らずにゆけ空彼方まで
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いや割と本気で雌雄同体がいいなと思っていますが、何か?
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柔軟剤、買い置きあって良かったと忘れないよう歌にしておく
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ここは果てこころは壁を持てなくて陽だまりの中 まなかで眠る
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