青空は青にとどかぬ青なれどわれを残してひろがるばかり
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ぼくたちは秋に生まれた 干し草に仰向けなれば懐かしい空
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納得のいくこたえだけ求めては宇宙の終わりも首を振らない
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カレンダー残り四枚病院で眠る祖父の細い手を思う
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飽きるまで 落ち込んだから 大丈夫 髪も切ったし 次に進もう
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彼岸にも墓参りせずゴロ寝してお萩だけ食べ太り吾おり
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ふと顔を取り戻して居、原初たるスープの泡より生まれ、われらは
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ガキの頃 ひどい音痴と 笑われた 吾いまもなお 歌と生きてる
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気づいてる 気持ちに知らないふりしてる 恋の醍醐味 秋空の下
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波風にかたち消えゆく時もあり たださもありなめる泡沫を
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小さくて 米粒ほどの 親切も 人の助けに なれたら嬉し
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上司との 接待酒に 酔えぬ俺 時計よちゃんと 進んでいるか
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好きな子の 話をしてる 彼の瞳に きっと私は 映ってないね
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偶像アイコンを失くした僕ら もういっそ名も泡沫に溶かしてみようか
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真空を抱いてねむる影のこと (親友、キミに春をあげるよ)
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痛くないけれどここにはいたくない(お家に帰るまでが戦争)
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「短歌やるヤツはメンヘラ」そのセリフ上の句に入れ詠んでやります
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真夜中のフリーチャットに現れて円周率を書き連ねるひと
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火蛍ひぼたるは舞えば舞うほど脆くなり翅が砕けて大地に落ちる
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内臓が見えるくらいに透明な君の隣に居させてくれよ
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頼むからerrorのrに混ぜてくれeとoにはなりたくないんだ
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君の足 土踏まずがあり偉いなと 僕は自分のをぺたぺた撫でた
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あのひとが “人間”だということが怖い いっそ神様であってくれよ
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「ねこ好きで……」微笑む君の口許が昨夜見かけたねこに似ている
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聞きたくて ずっと聞かずに 心うち 誰を守ってた 嘘だったの?
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カフェオレをぐびぐび飲んで心ではスキップをして帰る秋だし
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感情の空白部分埋めたくて詰め込んでみた炭水化物
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ワイシャツの 裏返し袖 引っ張って しばし酔うかな 君の香りに
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一言も 言い返すこと なくなって 漂うにように 生きている我
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逝き人が 望めし檸檬の ひとかけら 口に含みて 愛おしむ日
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