お互いに 似ているようだ 時として 何億人の 人々がいる
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人がいて 己を感じ 生きてみる それで何かが 得られるように
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惨めだな 認めてくれと 言い続け 愛してくれと 叫ぶ有様
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存在を 認められたい 衝動に 人はどうして 襲われるのか
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春になり 蛙が鳴けば ここにいる ここにいますと 必死にわめく
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幸せを 感じればなお いつの日か 失われると 恐れ慄く
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シガー・ロスを聴くんだね君は 油絵とタバコの匂いがするアパート
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喜べば 喜ぶほどに 悲しみが 増えてゆくから 喜べないな
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悲しみを 認めようとは しないもの 弱い者だと 思われぬよう
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君と手を繋いで歩いた商店街 あの夜全て終わればよかった
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愛してよ すべてのものが 訴える 気で触れたか 悲しみの歌
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夜 君と秘密の会話をしていれば いつしか寝息が耳をかすめる
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やさしさは本気にしてていいのかな 子供のころの遠い約束
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血の味が消えないこんな雨の日はうらぎりものの話をしよう
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また赤だ急いでる時ほど赤だ イライラ緩和脳内娯楽短歌作ろう
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先ほどの吐いた言葉とは裏腹に笑顔になったりしてるもんだよ
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来世はいらないと君は言う その瞬間とき 私たちは永遠となる
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梅の花折りて挿頭かざせば香り立つ如月の雪落つる衣手
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トンネルを ぬけるとそこは 雪国と 聞いてはいたが まさにそのもの
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窓開けて流れの中に手を漬けて風のぬるみを確かめてみた
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ヴィーナスとジュピター今日もランデヴー ビルの谷間で西陽が灼ける
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梅ケ香に誘はれてだに来ぬ人を雪消えなばと何頼みけむ
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このヒジをコートのヤツらに見せつけろ ことしの半袖いちばん乗りさ
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終日ひねもすを外挿すれば緩慢な冷温停止が待ち受けている
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可愛いし飽きたら食えばいいんだしミニブタこそはペットの王者
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キミとボク 向かい合わせで ちらし寿司 いつかなろうね 高砂人形
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父親は時々いない方がいい子はノビノビと 時々だからな
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若者に一言ちくり言いたくも回転寿司に行く金もなし
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泣くことも吐くことも苦手です。心殺してえずいています。
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プリズムが メガネの端に映り込む あなたは今日 橋を渡った
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