‪あの子から電話が来たの間違えましたってすぐに切られたけれど‬
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信号の横のボタンに気付かない私をじっと見つめる娘
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‪死んでから愛されたって意味がないけれど愛されるなら死にたい‬
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笑いじわ浮かべる君が好きでした。明日は誰のために笑うの?
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頑張りに打ちのめされて階段の段の多さに吸い込まれそう
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各々が個人をしてる同じ椅子 一人分をはみ出さないように
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‪三十歳 死ぬには若い躊躇なく喫茶店にも一人で行ける‬
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‪二十九歳はババアと言われるがきっと死んだら若いと言われる‬
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‪まだ生きているのかなんてあのときに引き止めたやつらに言ってくれ‬
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原爆の 投下の訳さえ 知らないと 答える子らに 歴史説く
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好きなのに セツナイ気持ち 押し殺し わざと嫌いに なろうとしてる
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のぼせてる 真夏の恋を 冷やすため 口にほおばる レモンフラッペ
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御座のあと 顔にくっきり 残ってる 昼寝のあとの スイカはうまい
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サルビアは恋などしてもしなくても夢など見てもみなくとも 紅
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インスタはトンではなくてグラムだし軽い気持ちで匂わされたい
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アメリカの地下鉄に乗るガスマスク他のマスクを買えなかったか
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距離を取るとアルゴリズム体操のヒリヒリ感がなくなっちまう
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iPhoneはネバーランドになるはずが手汗ネバネバランドになった
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ミュートしたクラスラインは盛り上がり赤い数字が静かに増える
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わたしよりすこし不幸でいてくれる間はやさしくしてあげますね
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UFOが海に沈んでゆく側で静かに茂る名のない草木
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隕石が落ちてくるから明日まで生きてみようと思えたんです
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この街の郵便局の片隅に宛先のないパフェがひとつ
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国道に赤いブラジャー舞い降りて軽自動車が器用に避ける
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誰ひとり傷つけないで生きていた人だけ行ける天国はから
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いつまでも黙っていると彼女にはすぐに彼氏ができてしまうよ
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切り替えて 昨日のことは 忘れろと 地平線から のぞく太陽
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夏過ぎて 見慣れたはずの 教室の  誰かが違う 秘められた事
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月に二度 結婚祝いを贈る身の 周回遅れ 何周遅れ
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ふるさとの百葉箱の神様へ。 風がそちらへ向かうようです。
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