朝起きて、三食たべて、夜は寝る。理想的だが何か足りない
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難しいことは知らぬが我が輩が生きているてふことは真実
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商品が気に入らない、と屁理屈を付けて応募を諦めにけり
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君が泣き 僕は堪えて抱きしめた 机に残るふたつめの鍵
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うめはならずあらめや「このはなはなに」とへるかな乙女をとめは ※梅をコノハナとも言う
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砂糖まぶし滲むは涙かこの恋は煮詰め蓋をし仕舞い込む
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傲慢にならないように自尊心プライドを押さえ込んでる私はエライ。
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炎天下 汗を拭って坂道を 急いで登る夏は、無かった
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君と手を繋いだ夏の思い出を捏造したが秋風は吹き
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パリピてふ吾が名はまだき立ちにけり 口先だけの陰キャなるにも
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秋風あきかぜすずしみ寝目いめさめめぬかも 時計とけいはりひとながるる
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振り向けば なんてこと無い あぜ道だ 雨になるのか 入道雲よ
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君のいる町はそろそろ秋ですか おなかを出して寝ていませんか
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学び舎の蒅すくもに浮かぶ藍の華恩師懐かし爪の止紺
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好かれてると思ってたけど勘違いみたいだ石を蹴り蹴り帰る
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秋の日は釣瓶落として言うけれど釣瓶もなければ遊ぶ子も見ぬ
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秋なのに秋刀魚も鰯も喰えぬとはせめて茄でも嫁に喰わせむ
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爪先に わたしごときがそんなにも 綺麗な色を塗ってもいいの……?
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君こそが夜空の真の一等星と君自身さえ知らなくていい
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言葉さえ 仲間がいるのに僕はもう なあどう思う、類語辞典よ
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哲学書 うわ滑りする目を閉じて夢よ目蓋よ真理を灯せ
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鮮烈に 君を思えば 夏の色 日焼けの肌に 染みる恋かな
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昨日まで 君がいたんだと 雄弁な 無音に染まる 夏の葬列
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綿織りの硬い触りのワンピース 風になびかず堂々行こう
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秋が来て涼しくなったと思ったら握った君の手その熱いこと
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「愛してる」「愛しています」……足りないね 三十一文字はあまりに遠く
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放課後に君のスマホが震えてた 急く指先は誰のためなの
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踏切を正しく通る電車だし天気雨だって休憩中
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瘡蓋のゆびざわりにあぁこれはって小松菜の ミ ド リ ガ ヒ カ ル
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凸凹な背骨をなぞる夏の夜 博物館に飾られるかも
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