蓋然性でしか語れぬ「現実」は根拠なき「真実」に勝てない
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ラジオから流れる天気予報「雨」修行出るなら今しかないか
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悲しみや悔しさ溜まる傷口は君偲ぶたび開いて零れる
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神様もきょうは赦してくれるよね二十六時のアナログ時計
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たった今死んでもいいと思う時一番生きてる意味を感じる
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厄災が起きたら猫と通帳と聖書と手紙を持って逃げよう
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今などはどこにもなくて過去だけが足の先から蓄積される
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言葉では到底表しきれません頭を開けて脳みそを見て
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まだそこで微睡み続けているんだねミニチュアの事故現場の五月
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右手には祈りを頬には親愛を左鼠蹊部に喝采を
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「おやすみ」と 真珠袋に包まれる あなたの指が 解く夜明けまで
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教室の窓 晴天に稲妻が 今木星は 嵐なのだろう
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ライブラリ 心に沿わぬ歌ばかり 開いて閉じる 朝の憂鬱
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くもり空 時折り差込む 光のように 君が笑う その時がすべて
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シャツの袖 たくしあげた 小麦色 ずっとずっと 生きていてね
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梅雨冷えやポタリポタリと東風の勢(せい)一粒ずつ雨粒落とす
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経験は 活かしてなんぼ 認めずば 無駄な人生 認めることに
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年老いて 歩くことすら 億劫に なりて我が身は 消えゆく程に
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独特の キャラをもっても 組織とは 装置のように 無機質はもの
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胡蝶蘭 車に乗せて ゆっくりと 法定速度 守れるように
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胡蝶蘭 顔近づけ アレルギー 酷くなりつつ 臭いもしない
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愛すれば 会わぬ時には 寂しくて 会える時には 切なく思う
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胡蝶蘭 美しきこと 君のよう 部屋の隅にて 光り輝く
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ロッカーは胎児の夢を見るべきかそんな事件があったりもした
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髪解き左右確認するひとの頭をたたく梅雨の先触れ
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とくべつじゃ なくてもいい、と言うだけの 確かなパンを僕は焼けない
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突然に宇宙の真理を悟るとか、よくあるらしいから気にするな
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かなしいは寄せては返す波だから 浜で一緒に満ちるの待とう
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逃げた猫さみしさよりもその様が死に物狂いでごめんごめんね
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錠剤が私を救うヒーローやしてやあなたなんかではなく
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