風笑ふ 春を誘ひて 花見酒 酔ひて塩梅あんばい 忘れたるやと
4
かはらざる 道を歩けば 散る花の 雪と覚ゆる 風の冷たさ
3
あまつ月 あまたの星を ふらせ給へ 星無き夜にて 君と語らむ
4
強烈な日差しと熱に雨雲が追いやられてく惜しまれもせず
3
ひえあわ 今で言うならスーパーの消費期限の切れた惣菜
1
褒められて素直に喜べない僕はきっと何かが邪魔してるんだ
0
したあとに すぐ寝た男の 鼻ツマむ わたしが寝るまで うなされやがれ
3
梅雨明けて夏来たるらしクールビズ 犬は舌出し猫はとろける
2
熱々の回鍋肉に救われてきたる終末を少し忘れよう
3
ばけものが世界の裂け目から這い出し街を焼く夢をみて春彼岸
1
粗く溶けてゆく雪、残酷に夢が解かれ、むきだしの年度末を歩けない
0
また無駄に一日を消費す 等速で死と消滅へ近付いているのに
2
切り裂くがごと歓びの声交わし合ひ白鳥征けり天をしるべに
1
あのさ、いい?あんたの親父悪いけど、善と名乗って俺を刺したよ
2
知ってるかい?結婚式のあの風船、今ウミガメの胃の中だってさ
1
雨ほどに色鮮やかな紫陽花を見上げる子らの黒髪ぞ光る
1
「あらすじはダメです。心を書きましょう」田島ジュンコよ何故に夕暮れ
0
情愛が結晶化したとさロンドンと博多に落ちた二粒の砂
0
恋愛をする気は更々無いけれどあなたのことは愛してるのよ
1
泣いているあなたをきつく抱きしめて額にキスした それがDV
2
夜店とか花火もいいし浴衣とか楽しみだよね 僕がいなくて
1
あなたからもらった手紙を捨てれずにただ本棚の奥に投げてる
1
五分前仮説がもしもホントなら六月五日は何のイタズラ
0
昨日から心細くてたまらない 居間の電球 一つ切れてる
5
縦書きで書けば何とかそれなりにまっすぐ立てる金曜の俺
6
才能に そっと一刺し 注射針 はじめは痛み 終わりは羨み
2
不躾に他人に興味がないのかと言われるともうブチギレですわ
8
叫び出し大泣きしたい夜脱いだ服思いきり洗濯カゴへ
1
自意識の渦から逃れ抜け出せる「無名の忘我」で短歌を創る
2
何者かになりたい自分 有名になりたい自分 僕俺私ぼくおれわたし
3