素粒子は幾億年の時を経てヒトの形に成り果てにけり
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曇天に檸檬を一つ買い求め 基次郎的詩的な世界
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とろみある夜気を纏いて散歩する アイス齧りつ晩夏の道を
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人の世は 蒼然暮色の海原に 絶えず満干く さざ波の雅楽
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夏草の しずくも落ちぬ別れ路で雲間に消える 彼岸のたむけ
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いまさらさなにを言っても無意味なの マグショットの中閉じ込めてやる
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暴力をわれに授けし父老いる 赦さるることなきわれの頭蓋よ
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人脈とコンサル代で荒稼ぎ 五輪に巣食う虫は益獣?
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あれはゴキ・・・ではなくきっとコウロギだ 脚の形が違ってた・・・はず
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ワゴンから素麺を買う食卓はエンドレスサマー 煮麺という手も
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長老へ焼まんじゅうをお返しに 顔も好みも分かるご近所
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朝七時 ラッシュの手前に乗り込んで 猛暑和らぐ 余裕を感ず
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「好きだよ」と「ありがとう」の距離感は今の君と僕みたいだ
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秋空見 急ぎ干すべく洗濯す 予報外れて 慌てながらも
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仲秋の 夜空の海に散る星や 町へ街へと 跡も残さず
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好きになる自由があなたにあるように嫌う自由が相手にはある
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人生の汚点で線を象って道を作って、泥にまみれて
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気を抜けばすぐに他人だとわかるからきつくしばって用済みと捺す
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クワガタよカブトよさらば ありがとう命の授業土に帰れよ
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食べたいと言っていたのでついで買い 車をやめた母に届ける
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この感じ主婦には分かるか 針仕事アイロン掛けはギア入れ直す
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問1. 当てはまる漢字を答えよ。①傷物の愛に貴方の〔   ほしょう〕が欲しい
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ひきよせた笑い上戸な人の手を黙ってつないで少し見つめる
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人生は 終わり知らずの サドンデス ある日突然 ゲームオーバー
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繋がりは 希薄になりて 途切れつつ 愛は再び 燃えることなし
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うとうとと パソコン前で こっくりし 寝ればいいじゃん 日曜の午後
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人生が バーチャルならば 苦労なく 成長もない 空の空なり
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警笛を 鳴らすとすれば スマホとか ネットゲームは 時間の浪費
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人語なき山の頂独り寝て羽音に子らの呼び声を聞く
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依存症 ネットゲームに 明け暮れる 若者増えて ネブカドネザル
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