我が歌をひとつに束ね書とするを馬鹿の妄想ここ極まれり
12
死化粧と呼ぶにはあまりに美し空に映えた葬列の人
5
大喜利を集めて眺めていると群像劇に見えてきませんか 気のせいかも!
5
我が眼(まなこ)反射で浮かぶまで磨くグラスの底を覗いてひとり
13
外耳炎 物言えぬ猫(こ)が 心配で タクシー飛ばし 病院へ行き
12
ねこたちは ゴハンのまえは ハモります 「圧」のお声と せつないお声
12
がらんどうのこころ いいや胸のあたり 違うかもあたま どこにあるんだろ
9
予報士の「久しぶりの真夏日でした」分かってたよと犬がハフハフ
15
『恋』という 人生の中の 本棚に 最後に並ぶの あなたがいいの
5
宮城野の草吹き結ぶ秋風に零れて落つる萩の白露
10
軒端には荻の上風おとづれて袖に露おく秋の夕暮れ
8
もしGが純白ならばどうだろうもしもカラスがもしも宇宙が
12
例年(いつも)より熱き期待の風受けて瑞穂の国に黄金田揺れる
20
夫(きみ)からの「行きたいところ検索を!」 私はやはり「るるぶ」が欲しい
13
その昔旅行する時「るるぶ」買う ページをめくり迷う楽しさ
17
若さゆえ離れた土地に分け入れば糸ほつれゆくリクスーの肩
6
もう何処も行かせやしない黙ってて私は生きるあなたが好きだ
7
できること 思いきりやり やりきって 夜迎えたい 私の決意
8
ふる里のバスすれ違う道向かいチャリかっ飛ばす影の若さよ
9
今日もまた暑くて散歩は短めで嗚呼やな癖がついてしまうか
9
働いてせっせと納めた保険料 使わせられぬ現実ここに
9
目を落とすその瞬間まで気を抜くなキン肉保て団塊の世代
6
目指すのはピンピンコロリその日まで地域の女性(はは)らは通う百歳体操
11
哲学者気取った男と物書きを気取った女がいる我がアパート
4
でも今日は のんあるなのさ オールフリー すぐにキャベツの煮物をはじめる
12
ごまだれの冷やし中華に ビールよき 残ったタレで一本いけそう
16
珍しく朝から仕事予定なし歌を捻ろか小説読もか
17
『父親は泣かないもの』と信じてた 五歳児ドアに手を掛け佇む
10
長き脚すらりと伸ばして水溜まり 跳び散る水玉 湧く湧く歓声
5
センチメンタルになって初めて センチメンタルの意味を知る
3