バビロンの煉瓦の壁が伝えゆく上古の暮らし市井の想い
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誰々の言葉なんだと言うよりも自分の言葉で言うべきなんだ
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向日葵の斜め姿が音を消し雲に隠れた盛夏の陽射し
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仮想の場言の葉浮かぶ急流に吹き荒びたり議論の嵐
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中央線 これで会うのが最後なら花束なんかいらなかったよ
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クル・ド・パリ紺に煌く文字盤のずしりと重いデイリーウォッチ
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まじキモい奴から逃げずに向かっていけ。攻撃は最大の防御になるぞ
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このままじゃ核弾頭は載せられぬ抑止の技が必要なんだ
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冬の夜帰路にて浮かぶ悩み事オレンジライトが優しく照らす
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ロケットの白尾に願いしアド・アストラ散りても芽吹く夢の春草
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春が来てはじめて交わすくちづけは世界の終わりを告げるサイレン
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あの場合怒らなくてもよかったがたまにはいいかと怒ってみたよ
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夕映えの冬空駆ける川風に向かいて漕ぎし自転車ペダル
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三月はいつも僕らを追いかけて果たすことない約束させる
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蝉時雨入道雲が追い立てて陽も陰るのは夏の昼前
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トンネルを歩みて抜ける白河の光溢れる夜の天蓋
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今を飛ぶラムはやたらとかわいいなあたるも今はじいさんだろう
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春ですが暖かすぎやしませんか嬉しいですがちょときもち悪
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なさけなや 人は己の 道を行き 破滅に向かう 知ってか知らずか
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誘惑に 陥る者は 自らの 欲望のまま 生きているだけ
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次々と 規則に規則 付け加え 防護のために 息まで詰まる
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追い炊き後 意識失う 束の間 これが極楽 ほんま極楽
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一人ではこの部屋はもう広いから引っ越ししよう夏までの時間
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今までが 間違いだとは 思えない 一生懸命 生きてきました
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「じゃ、またね」」言い出せなかった初恋を君の肩越し月が照らすよ
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ちょっとだけ悪いことした自覚ある ひまわり食べる夢を見る日は
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コマ落ちは視神経かな記憶かな知らず出てきちゃいきなり消える
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他人を見て ひがんでみても 仕方なし 自分の道を 突き進むだけ
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右も駄目 左も駄目か 真っ直ぐに 生きるしかない 真っ向勝負
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みずうみのすきとおるほどの静けさであなたはずっと星を見ていた
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