もう一度あの空見たいと願う時 人は誰でも優しくなれる
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純白は夏の温度で透き通る 淡い葉脈 神秘的な手
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紙の上潰れた虫を虫と読む ティッシュで包む 人の虚しさ
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間違いが まかり通るが この世なり ひどい状態 それども生きん
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非難する 人が偉大に 見える程 愚かじゃないよ 周りの人は
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敵に背を 向けるよりかは 降伏を 敗戦の志士 なんの弁なし
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強欲で 凄まじく事 逆風の 元でなおさら 地に潜らんと
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罪多き この世にありて 清廉で 潔白なりや 否と叫びて
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正論が 通らぬぐらい 当たり前 権力振るう 人は悟らず
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それでなお 生きよ言われて 朝起きて 夜寝るまでに 善を行え
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悪人と 気違い以外 いなくとも 逃げるわけには いかない世界
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戦いを 恐れて勝利 得るような うまい話は おとぎの世界
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手を出せば 炎に焼かれ 火傷する 何もしないと 冷凍保存
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哀悼が響く欄干のふもとにて愛が芽生えた痕跡を見る
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嘘だった言葉を投げかけ止まる足 首から下だけ見つめている
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紫陽花咲く遍路を一人反れ気付く 二十八歳残り五日だ
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ウグイスが 鳴くしまいこむ 冬月の 更生保護の 道しるべにて
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前髪の 遠き山には 松茸が 海のダイオウイカ ピンク色の桃
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寂しさに 裏を籠めての サンドイッチ 折り畳み傘 管理職失墜
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桜桃忌 『人間失格』二度読んだ 太宰の生き様好きになれぬまま
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CDときみの5秒を買っている 両手にハンドクリームを塗る
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「天国のあの人が悲しみますよ」 それがわからないから泣いている
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別にもう会いたくもない人間がたまたま親であると不便だ
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耳元で謎の民族たちが唄っててなかなか寝付けんこれも疲労か
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静けさに目を覚ます午後九時十五分 誰に起こされたわけでもないのに
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きらりんとアイドル夢見る少女には聞こえないこのサイレンのこと
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邪念だねこんなところに居るものね一人が良ければ身を隠すよね
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「二時間後ここに集合」できるほど今見た映画に冷静じゃない
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笑っちゃうくらいくだらない雨の日ご覧靴までお祭り騒ぎだ
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やがてくる春を知らない君のもと束の間羽根を休め居る冬
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