いつの日か この世は屑と 消え失せて 愛する人と 永遠に憩わん
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人々よ いずれは消えて 塵となり 忘れ去られる 愛こそすべて
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ただ一人 生きては行けぬ 永遠の 家族となりて 慰めを得る
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人は死に 生き返りては その道を 進みて永遠の 人となりけり
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母呼びて 帰らぬ人と なりにけり さようならだけ 声になりけり
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日常は日々平等に繰り返す 去ってゆく夏やってくる秋
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本音だと 生きて行けない ものなのか 叩き直せよ 性根の悪さ
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血はピンクでかわいいほうがいい 心臓はハートの形をしてる
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みんなに優しい彼の足元に 勘違い女の骸の山
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みちばたに ひとつふたつと にんげんの ぬけがらおちて 天使にかわる
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撥条ぜんまいを巻きなほさせてもらへないまゝに話はつゞく 蜿蜿えんえん
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泣いてない泣いてないからたまねぎを刻む刻んで刻んで刻む
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せんしして うえてほそって しんでゆく それをしってて めしくいわらう
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寝苦しい夜も過ぎれば一瞬の夏 記憶にあるはまぶしい光
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硝子戸を震わす雷鳴 その前に空を切り裂く光を見たか
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ゆるしたい 今のしあわせ あの過去が あるからなんだと わかって頭
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頓服って一日一錠までかなあ クラフトビールでも買ってこようか
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植え込みにテッポウユリの突き出たる 街路樹見つめ何を思うか
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発条をまた巻き締むる指もなく儘横たはる霧雨の午后
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拝殿の 手前で拾う 5円玉 手持ちと重ねて“ご縁”祈る
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上等のチーズののこりを食べる午後 ちょっと優雅なレディの気分
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お盆明け シーツの帆を上げ 物干しが  青空のもと 帆船になる
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道端を穿つ新芽のごと吾子が初めて見せし抵抗の牙
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炎天「下」とは言い得て妙この頃は上でなくてもよく焼けるグリル
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影踏みを夏の遊びと過ごしたが日傘さす今影持ち歩く
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お別れだね戻れない夜が来ちゃうから星が瞬く前にさわって
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やがてまたぼくが終わろうとする夜に蝉のぬけがら一切を拒む
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街中で聞こえる会話故郷とは違うとわかるなぜおもしろい
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二死満塁、期待の渦の真ん中に立つ君、流れ星よ叶えて
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おひるどき ねこがまんぷくでおきてこない 夜中につまみ食いとかしたから(笑)
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