「好きです」と言うのを少し我慢する厚みが増して「大」が付くまで
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バスだけは誰かの都合でのろのろと電車達よりきっと優しい
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夫婦とは 老いても愛し 支え合う そんな甘くは ございませんぜ
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脳みそを ほじる気ですか お医者様 綿棒挿されコロナ陽性
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病院に 行けば行くほど 呪われる 医療中毒 重度な依存
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小走りに 小雨の中を 駆け抜けて まだまだいける 65歳
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人生は 歳を取るだけ 生活が 楽になるとか 誤解をしてた
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老人よ 見捨てられたり しないよう 歯を食いしばり 働きましょう
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永遠をふたりで誓う時すらもこっち見ないでRTA
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今日の午後 雨は上がると 聞いてたが 小雨に濡れて 職安通い
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年金に 頼って無為に 生きるより 額に汗して 地を耕せば
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一つ落ち 二つ落ちたら 三つ落ち 四つ落ちても 職安がある
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生きるのに プライドなんて いるものか ただひたすらに 地面を舐めよ
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今日も行く 明日も通う 職安の 常連になり 惨めなもんだ
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曇天の 街は木枯れて この色を 地味な一日ひとひの 象徴と呼ぶ
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身と心 底なし沼に 落ちていく い上がれば 其処そこはまた闇
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「みんなそう」 「誰もそう」とは 思いつつ 弱い心は 「なぜ私だけ?」
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助走つけ遠くへ飛んでいきたいな 悲しみの向こうさみしさの向こう
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何しても上手くいかない一日を長男からのLINEが良い日に変える
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病院のそばに葬儀屋頷ける 寺社門前のラブホは如何に
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走馬灯じみた思い出蹴散らして死なないための軌跡を描く
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どんよりと沈んだ空にいちょう並木 澄み切っている空より、あるいは
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軒先で 一期一会の 雨宿り 雪に変われば ここを出てゆく
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泣かないでいられた日には水を汲む形の両手に乗るエトピリカ
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ひとはみな べつの公理系 いきていて 命題ひとつ ちがえば異世界
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妻帰省。麦茶の作り置きがある。いい音奏で湯呑を満たす
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蝋燭を虚数本だけ吹き消して現れいでたディラックの怪
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スキだった かお こえ ホクロ ゆび えくぼ タバコのニオイ つめたいところ
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君がいる 多分最後の 冬だよね 雪じゃ涙は ごまかせないよ
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音楽で図形で思考の断片で(やっぱ違うな)救いの擬き
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