湯気こもるうす水色の浴室の時の滴の落ちる剃刀
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今夜から 冷え込むよって 我が友よ 暖かくして ご自愛くだされ
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あの冬が降りだし積もりそうだからこのマフラーはしまっておくよ
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本棚の奥には青い海があることを知らないで街行く人
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武士のよう君の生き方歩み方背に負うものを一つ私に
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守られし生きてる我もいつの日か守れるものを持とうと思う
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砂利まじりの雪に似てる志望動機書を提出する
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踊ろうよEDMをかけながら夜の理科室みたいな匂い
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マイスリーに 勝ってしまった 強い僕 眠れないと 弱音を吐いてる
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大好きな 君に会うのも 疲れたよ もう朝など 来ないでほしい
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欲しいもの 誰もが笑顔の世界です(本音を言うと、五千兆円)
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きみがふと「相性いいね、SFと」ていったら手がぷるぷるふるえた
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オレもある 新幹線の 個室和式あけたら 知らん人が ツをだしてた
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空室と思って開いた個室トイレの便座の上に座ってたのは
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爆弾の飛び交う世界 その下のうすく引きたるルージュの夢色
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この恋は防腐剤入りですどうぞ未来永劫しまっておいて
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人知れず嗚咽をもらす夜がある 君の手紙に染みをつくって
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慌ててて離れておもう恋だとか遠慮だとかネガティブが担う
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できわるい対比の列にながされてならぶ 驕りをあとにして
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着地ってないことにして ちょこんとしっぽをつけててんになるから
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死にたいといえば本当に死ねる気がするので大事にとっておいてる
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つらいか、と 訊くだけ訊いて どうせ君は 手を差し伸べて くれないくせに
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才能が可視化される世界では生きたくないがいいねの数よ
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普通から解き放たれて今日もまた揺り戻されるあんな普通に
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散ったままあの屋上で朽ちていく 風にも舞わぬこの片想い
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The winter is burning 犯された街よ子供よ真っ当な日々よ
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固まった息苦しさをスプーンで掬って頬張る真夜中のプリン
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お財布で眠ったままの中吉がどこへも行けぬ私の暮らし
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神様は見て見ぬふりが上手いので、私も息をするように詠めます。
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ボドム湖に風が吹くとき子供らはギターを抱いて眠るその夢
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