初夏の空ふりむきながら見上げれば小雨と流れる雲の鳥かな
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大人だからコンデンスミルク舐めほうだい 大人だから気になる血糖値
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強手の中を僕は生きてきた そして今温もりに支えられてる
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星図鑑顔に伏せつつまどろめば初夏の風吹く致死量なほど
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生きてると 実感するのが 怖いです 息をしている腹が減った 脈を打ってる眠いと思う
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いつまでも心に居座る君の影を言い訳にしてひとりで生きる
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眠る君にキスしないまま冷め切ったギョウザを咀嚼する午前2時
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苦痛には二つの消し方があってあいつはそっちを選んだんだな
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ほんとうにやさしいですね水なしで飲めるくすりみたいにやさしい
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歌声も覚えてないのに手袋のざらつきだけがずっとこの手に
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気を抜くな 最大火力で向い撃て 弱点は黄土色の尾翼
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まどろみと言えば誰もが羨んだ とき とめどなく夢を渡って
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脊椎も激情もゆるく包み込むスウェット生地の背中はまろやか
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朝飲んだ鎮痛剤は届いたか、子宮返信お願いします。
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しわくちゃで震える五指は10円をつかんで落とす安酒がため
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うつせみ空蝉の 僕の心を 雨が打つ 次の夏まで 耐えろ空蝉うつせみ
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幼きて 君をよすがに 暮らせども 行き先知らぬ 心は浮舟
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空腹のニャアの一声促され 絶望の淵は今日も閑散
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言いかけた言葉が胸に突き刺さる 恋は一種の拷問なので
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ああまただコイツが当選(う)かる選挙区(まち)がある愚かさこそが権力になる
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真新し いのち見出す紫陽花の空まで届く芽はつややかに
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まあみんな好きで生まれたわけではない、というあたりから話しあいたい
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謝られても私の心は元に戻らないので別れましょう
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暗闇に 照らすは太陽 月灯り 今日はここまで 天の告げかな
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取り出して眺めてしまう思い出は反芻されてダイヤの硬度
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コロナ禍に淡墨桜を見に行った千五百歳満開である
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きみはきみのにおいがしてる 同じシャンプー使ったあとでも
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ただ光のみ糧として生きてみたい青い葉をもつ草木のやうに
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なんどでも恋をするのだ いちどすらわたしを好きにならないひとに
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なかぬならぼくがなこうか不如帰 君の故郷くににも春は来たかい
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