花の頃 小学校に目を輝かせた 新入生が覗いていた
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哀蔽う 浅紅の湯で 憩う午下 君を待つ頬 冷めないように
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冷凍庫 アイスクリームひとりきり 残した君は もう知らぬ人
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嫌いだと知らないふりをしてたけどあなたの好きな東京が好き
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「少女暴行」の四文字きらきらと友達の名をはこぶ新聞紙
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夢想のまま雲の流れのままにゆく朝の車道の風景がいい
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取られたのは 一日の充実なのか それともただの時間なのか
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いそいそと スマホをいじる 午前2時 失ったものを 取り返すかのよう
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天仰ぎ スマホを持って 格闘中。 相手は深夜と おもたひ瞼
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夢に見た顔も知らない人探す運命ならば名前を呼んで
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笑い皺に指をはわせる それくらい一緒にいたね まだよろしく
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昨日まで冷たい風が吹きつける桜の枝のつぼみ咲きだす
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春風に曝され黒ずむ残雪が悟り仰ぐ蒼穹の朝
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とりあえず「桜が」などと言っておく軽い悪夢で醒めた朝には
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つまを待つ夜の欠片を縫い合わせパッチワークの星空となる
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祖父の背におんぶしてもらいあたたかし 目を覚ませても息はスースー
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スマホには スルー機能が 付いている。 周囲をすり抜け 画面に釘付け
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下向いて いつも歩いて ばかりいる 咲いてる桜も 見捨てていくのか?
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いいこともよくないこともあったっていつも気ままに咲いてる桜
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在りし日を 偲びあぐれば 双眸に露と流れし 春雨の唄
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言えなかった 誤魔化したラインに 本心を送ったの
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おすすめのプレイリスト(3)その3が今日の私を弔う灯篭
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新たな夢自分が自分らしく生きていく
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沙汰止みていつもの布団に入る夜 キャリーケースは荷解かれないまま
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蹲る彼の背中を見て懐う 夏を知らないコンクリ下の蝉
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熊よけの電気が走るフェンス超えしなやかに巻く黄緑の蔦
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布団から出たつま先がヒンヤリと夜の機嫌を教えてくれる
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きっとただ ただ 運命の神様も その時少し疲れてたんだ
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見ないふりしてた時間の重さぶん、息ができずにうずくまってる
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スーパーにたどり着けずにコンビニで弁当買って帰る花冷え
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