Utakata
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父もまた 一人夜更けに 苦しみて 喘息のため 息も絶え絶え
0
ツカツカと誰の足音かと尋ねてみれば 生き急いでる自らの音
3
銅像と化してしまう出勤日。 まだかまだかと待ち遠しき休み
2
三十一文字にはならないことばかり考えている まだ生きている
2
春だね。と言いたいがため桜とか三十一文字に詰め込んでみたり
2
面接を終えた一日ひとときを 期待と不安次の希望と
1
NATOとか EUとかが 闊歩する それに逆らう 中ロの構図
0
人はまだ 獣になれず 天使にも 届かぬままに 振るわれるまま
0
ステロイド 禁止の呪い 咳となり 押し寄せて来る 考える葦
0
深夜にて 決まったように 目が覚める 咳と戦う 孤独な日課
0
鳥たちの 早春告げる 囀りに 遠くの国の 爆音はまだ
0
枯草に 紛れて立つる 看板を これ見よがしに 捨てられたゴミ
0
釜無の 土手に咲きたる 水仙の 黄色が生える 早春の朝
0
内にダニ 外に花粉が 舞い散れば 洟の行く手を 阻むものなし
0
曖昧を淘汰するべく春が来る 許されるための甘い監獄
2
野良猫の鼻先指を捧げます これが私という人間です
3
底冷える 家の中はまだ睦月 外に出れば優しき弥生
3
逃げ出したい 逃げ出したくてたまらない それでも尋ねてきてくれる朝。
3
春嵐 わたしのなかに ふつふつと ある何かには まだ触らない
1
大きめの携帯買った けどなにもすること無くてただ詠んでるだけ
2
幼き日
同
(
おんな
)
じことを奇数回繰り返す夜 気づけよ異常
2
今は午前五時のまどろみの中でだけ会える人 息をひそめる
3
戦争を知らない子供笑ってて その無垢掻かず大人になってね
0
「命より大事なもの」という箱に人が勝手に詰めるがらくた
1
繁華街おもちゃのティアラつけた姫 花を迎える気配に包まれ
0
こいびとは遊星歯車の仕掛けで踊るコーヒーカップのごとく
4
制服にはねた雨水笑い合い互いの気持ち嘘はつけない
17
夢淡くはるかな君の過去想う。橋の向こうでさよなら言った。
3
サイレントヘッドフォンから「こんばんは」鍵盤たたく、独身アパート
3
ブラームス第1番のレコードは祖父から父へ僕へと伝う
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