聴く人がいなくなってもレコードは回り続けて時間のようだ
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「もしここで充電切れたら超やばい」 JK如くアシストを漕ぐ
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「無理せずに明日もおいで」言うかなぁ。ホストなんだと思い込めば良い
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水滴が岩壁をうがつこともある毎日料理を作るようになる
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繰り返し繰り返し血を流すだろうその目に映るひかりのために
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親からの急報「アルバトロス出た」親子を繋ぐゴルフのゲーム
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傘仕舞い私は傘に走りこむ あなたの右が誘ってたから
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ふよふよと漂う君の鼻唄が空の青さに溶け込んでいく
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星渡る夢から夢の渡り鳥 潰えた夢は誰が弔う
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久しぶり ネット繋がり 嬉しくて 人とつながる 手軽な機械
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もういないひとを両手でつつみこみ三十一文字みそひともじの箱へ納める
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長旅の途中で何があったのか今年はあそこにつばめが来ない
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憐憫の闇を深掘る名人がその深淵で仰ぎ見た空
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路傍にてロマンチシズムを朗々と論ずるための呂律が回る
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あなたとのたった一つの想い出が 時間経つほどデフォルメされる
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三十一文字埋めるのも苦労するくらい口下手なのよ本当なのよ
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子離れしひとり時間も増えたけど 子育て奮闘頃も懐かし
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爽やかな風が吹き込む 揺れるカーテン寄せては返す白い波のよう
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曖昧な閉塞感の中にいた高校生昔の俺にピンクのシゲキ
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丸坊主切り株につく若い葉のまだ生きたいね気丈夫な木
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ジョニーは戦場に行った思い出す倒されてなお 立っている木
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よろこびを あたえてくれて よろこびを つたえただろか しんじゃてる。
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もう今はあなたの背中見えるだけ それでもその背追い続けてる
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承認欲求そんなものは捨てちまえ。そう口は言い、目は君を求む
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玄関でころりと転ぶ母親の靴履かせずに保持にまわるか
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気の抜けた炭酸だろかただの水よりもつまらぬなんかAI
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歯医者にて神経ずるり抜かれた日庭の地下茎ぶちぶちと引く
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すみっこに忘れ去られたサボテンにピンクの花咲く「私は此処よ」と
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さきに逝く ひとの手とほほ なだている きづかれぬよう さとられぬよう
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メルカリで売るためならば不得意なアイロン掛けもがんばりますなー
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