あなただけは何も知らないままでいい 今夜こぼれた涙のいろも
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多摩川を流れるはずの水滴が車窓について都心へ向かう
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フライパンへ油をひいていくように路面が光りできる水たまり
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手足からぽろりぽろぽろ朽ちていく これでようやく綿雲になれる
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早いうちに閉じ込めておけばよかったな ※この物語たちはフィクションです
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「生きていて」儀式のように乞い願う 百遍は見た最後の書き込み
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何もかも陽炎だったというならば少し笑える気がした、九月
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またいつか。君が笑って幾星霜 今日も愚直に信じています
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夕暮れのロマンチックな海岸はあなたと見たから綺麗だったの
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脱ぎ捨てたパーティードレスの皺数え 酒と飲み込む傷心の痛み
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揚羽蝶育てた恩など露知らず 自由に飛んでけ幸せになれ
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夕立ちをあつめて速しあの川の流れのごとき我が涙かな
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絶望まっくろで爪を塗るのだ ほんとうの僕を誰にも見せないように
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あたしたち どうせいくなら一緒にそこまで 手繋ぎ足踏み 西側の窓
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いつもより熱い湯船へ沈むときソーダに浮かぶ氷のきもち
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「好き?」と聞かれて「好き」と言う。「何が好き?」だと、君ではないけど。
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ひっとりと掌にのる雨蛙 重さでお前が生きていると知る
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「変わるから。」 頑張ってください、毎度あり。 何度めなんて 言わないからね
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愛してる なんて言葉に浮かされて 舞い上がっていた 日々よさよなら
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田んぼから夜な夜な響く大合唱 カエル議会は紛糾の模様
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好き、嫌い、放っておけない、許せない、忘れられない、以下、繰り返し
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皆鼻と口を覆ったディストピア ノースリーブの季節が来ても
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ありったけの青飲み干して透き通る心は全部あなたにあげる
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金曜夜 週末幕開け 夜更かしや めぐる思考と 落とさ生まれる短歌
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泣いていたパジャマの君も好きだから そんなに笑うとすこしさみしい
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ぬばたまの一晩中よひとよひとしのひつつ有明ありあけつきむかへぬるかも
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強酸とグレたマブダチ、工作員ブラック青り金稼ぎする
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なまくらの太刀にて首を斬られつつあるや我が身の苦しさは何
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さびしきにかたすべきひともがな なみだすべきひとらまし
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灰皿にするため買ったハイボール こんな味だったけな
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