白い雲乗って遠くに行けたなら君住む街を見つけて降りる
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君のいる街から春になるらしい花のワルツで電車を降りる
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ふっと手を離して去った人たちは見えなくなったので、「いなかった」
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卒業がこんなに惜しくなるなんて3年前は思わなかったよ
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真っ直ぐに進めないのかこのハサミ  紆余曲折はまるで人生
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愛用のペラい栞は思想とか趣味に恋人よりも詳しい
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概念からこぼれたものがあちこちで光っているよ 見える?見えない?・
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しいたけが嫌いな僕のためだけに食卓に並ぶ七宝菜
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個個個個個個個個個固個個個個個個 我を突き通す頑固な奴
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予報より暑かった日のコートってやけに重くて、私に似てる。
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テレビ見て駅弁食べて旅気分味気ないけど旅はまだ先
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満員で空いてる席には透明の爆弾がある、空気を読むの。
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かの昔、駆け出したはず。人生は 非等速直線運動
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「言う」の読みに「ゆう」が追加されたんだ、と未来人が辞書を指差す
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集団の男子中学生通ればジャージは柔軟剤の香り
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衣替え 毎年妻に問いかける おれが着てるのシルキードライ?
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いとしげに「へんなひとだ」とわらうこえつれていかないではるのあらし
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「久々に泊まっていけば」と問いかけて 君がこたえたあとの静寂
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あなたの句本当に素敵だったから、気遣いお返しハートは不要よ
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モチモチとしてそうなのがサウルスでガザガザしてそうなのがザウルス
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みかんでも剥くなにげなさで息を吸いあなたの娘は結婚しません
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胸郭と両手いっぱい深呼吸芽吹きの歌をいだけるように
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どうせみな忘れられてゆくだけなのに 名付けることを人はやめない
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粛々と来週分の処方せん装填していく祈りを込めて
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もうずっと完成しないこの駅の仮設ホームで惑う春風・
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今日から人として生きるよ 赤信号でも手を挙げ 僕はわたるよ
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無くしてはいけない書類を無くした日 夕焼けの光が焼き付いて
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「先に行く」 いつでも前に 居たあなた でも逝くときは 手をつなぎませんか
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愛してよ 孤独な現世は 悪い夢 優しく堕として 愛のかくり世
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ウクライナ攻撃国よ楽のをRAV VASTの響きこんなにもかな
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