年をとり 生きてる以外 することも せねばならない こともなくなり
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爺さんよ よぼよぼ歩き 危ないよ 道の真ん中 ブレーキを踏む
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よぼよぼと 歩く姿は 人生の 末路と呼べり 朝日を受けて
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老いぼれて レームダックと 呼ばれても あの爺ほど ひどくはないさ
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生命を 育む心 あるならば 破壊慎め 野心を持たず
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種を蒔き 発芽している その姿 眺めていれば 心穏やか
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夜の日に歩く足音響いてる 寒さともに流れる鼓動
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寝息まで冷え切ってます美しいメリーゴウラン春を捕らえて
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目覚めたらどこに行こうか とりあえず海の色でも確かめようか
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猫じゃないあたしは命の終わりまできみの前から消えてあげない
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これもまた腐敗なのだが水底に透き通りゆく花びらの堆
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もう帰ることはない街の空に ワームムーンはただ滲むだけ
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車行く風よ夜空の月覆う雲をあちらへどかしてくれよ
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ビニール傘の屍が辿り着くことでも知られるナントカ駅
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日常のあの日の思い出よみがえる テレビに写ったあの日の出来事
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朝 4℃ 気温上がらず午後になり哀しい雨が降り続いてる
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ぼくのため嘘をついてるきみの頬にひらひら桜の花びらひとつ・
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仏壇にまだ置かれてるドーナツが寂しそうなあの人の顔を
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ナボコフの『アーダ』は地獄の淡き色(老いとは一種の麻酔であろう)
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国境なきapple music音楽は言語無くただ平等である
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永遠に第弐位相の更新はないと知りつつ読者になる我
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雨に濡れると穴のあくオブラートの上に載ってるような日常
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市の人に見つかるまではチカチカと照らし続けるつもりの街灯
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咲くまでと手と手重ねし花の芽がひらいた音信きみは三月
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春風に尻尾靡かせ犬五匹久しぶりだね土筆を走る
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根を下ろす、聞こえいいからぬかるみで動けないだけなのは内緒で
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一瞬の 出掛けた直後 春寒き 風の舞う中 詩の浮かぶ道
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刃を入れられた玉ねぎの 痛み苦しみを思って涙するきみ
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親子丼って なかなか残酷な料理と思ったり…いただきます
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雨降って地がなんとやら 僕たちの肩に降るのは雪でいてくれ
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