ミニトマト ピーマンともに 実が生りて 菜園友の 孫に報告 
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映画でも小説でも泣かないと笑うあなたの 涙になりたい
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夜遊びの〆は中華と決めていた 黄色く見えた春の曙
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横浜の桜木町は「ゆず」の唄 別れが似合う酸っぱめの町
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どさどさと 一気に持ち込む ゴミ捨て日 これで記憶も 軽く明るく
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蛹ない蝉は不完全変態する虫という 見る目が変わる
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自分ほど多彩な趣味の奴いない と思う人って結構多い
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連休が明けたら地味にやってくる自動車税と固定資産税
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東京が 遠いところになってから 気付きました ふるさと、東京
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ラグビーと羊と森を愛してるキーウィの人また会いたいな
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ひよどりの「いいよいいよ」と 鳴く声に少し笑える気持ちほぐれる
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淋しさが 毎日不意に 降りてくる 君を忘れることができずに
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櫃まぶし味噌カツよりも旨かった 名古屋の駅で食べたきしめん
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あの頃は海の肴に興味なく 食べときゃよかった築地の寿司を
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朝五時の始発電車で通ってた 東横線は第二のベッド
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藤波が炎上してるあの町はチャイナタウンの飯が美味しい
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降り立った駅のホームは焼肉の匂いと熱気鶴橋は雨
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追憶の思い出の地を歌にする また旅の虫鳴きだしたので
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4本の腕そのうちの半分を使えなくして駅まで歩く
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晴朝の薄月上がる洗面の窓  深呼吸する肺は浅くて
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朝焼けに見惚れた後は雨がふる春の終わりは夏の始まり
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太くなり細く切れそでまた続く人生みたいな林檎の皮むき
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ボロボロになった育児の参考書は 過去の吾への頑張ったで賞
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歳の近い姉妹は互いが必要で“塩と胡椒”のようだと思う
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元寇は話し合いで済んだ まだこんな事を書いているのか朝日と云うは
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親が本を読んでいれば子も真似をする? うちは例外
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習・金の写真を踏める火で燃やすこれも「表現の不自由展」に
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浮き上がり潜航艇のやうな亀くびを伸ばして吾が顔をみる
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夢なれば嫌な者とも笑ひつつ酒など飲んでをるではないか
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晩酌の吾を見上げる此の犬は肴を置きし飯台の下
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