白妙の衣や干すと見るままに春を隔つる卯の花の垣
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立ちわびて霞の袖やしをるらむ今日を限りの春雨ぞ降る
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【英王室】ハムレット 父は毒殺 母盗まれ 今は母殺され 父は不倫妻
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「もうええわ、ありがとうございました」で終われる人生 笑顔であふれて
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悲しみは かなしみとして 今日もあり 涙色した指輪を着ける
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白い箱ひとつ残ったアップルパイ娘来ていた証拠を食べる
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男とはカネを掴めばケチになる。社長たるもの妻は道具か。
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別居して十数年で保護申請。受給資格は戸籍の離脱
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また会える だから言葉はなくていい 改札抜けて独りへ帰る
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神座かむくらのメニューから消え裏キャラへ進化を遂げたラーメン雑炊
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旬過ぎた極楽浄土か当麻寺 残る牡丹は美しく坐す
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緑映ゆ二上山ふたかみやまの稜線は同じ波形で空を切り取る
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嚙み合わぬ話もシカトも気にせずに時を過ごせる人がいること
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降り立った我を迎えし躑躅から溢れる春にふわり駅前
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生粋の関西人であることを思い出しつつ往く奈良は晴れ
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スーパーで泳ぐ園児の鯉のぼり何も買わずにただ来る祖父母
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手招きでひ孫呼ぶ母縁側で見守る孫を見て笑む私
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東京は煌めきの街思うたび 地元のぬくもり強く感じる
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意味も無く生きて死ぬだけ人の生面白おかしく茶化して死にたい
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別れてさ 君への愛に気がついた もっと愛してあげればよかった
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天よ何故 能登の大地を 大揺らし 豪雨も呼びて 民を痛めつけ
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もし君が僕の気持ちを知ったなら、きっと関係崩れちゃうから
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会いたくて君とのチャット開いては 迷惑かな?と閉じてみるけど
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連休明け 手元の金を 勘定し 残る二十日の やりくり悩む
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雨のも 履く君がくれた スニーカー 結べばあひも ほどけばこひ
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深淵はいつもわたしを見てくれているありがとう(飛び込みたいな)
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軽やかに春から夏へ渡りゆく花の女神の足跡そくせきを追う
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奇妙なるカーブを描きサボテンは太陽目指す鉢を回せば
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地震有りラジオがニュースに切り替わる被災地如何いかがかニュース短し
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帰る日の子らの家族を見送りて洗濯物を機に放り込む
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