その時は 本気だったの いつだって 気付いてからじゃ 遅すぎたのよ
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四畳半 君と過ごした 笑い声 やかましい程に 通り過ぎてゆく
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歌舞伎町 道ゆくキャッチも 生き生きと みんな同じか 困ってるのは
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消化する 儚い想いも 昇華した 自然の恵みと 化学調味料
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三分で ラーメンできたよ ヤッターマン 手は洗ったの? ウルトラマンだね
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深夜2時 何かを頬張る 横顔が 世界で一番 嬉しそうだね
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背中と白 壁にもたれて 投げかけた 視線の先は 写鑑うつしかがみ
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頼りない 細い背中に もう一度 抱きつけたなら よかったかもな
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眩しくて 目を閉じてても こじ開ける 東京の光 何ルーメンなの
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田舎の呼吸 感じてみたなら 癖が濃かった
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都会の息 吸い込んでみたら 味がなかった
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酸素自体 味がしないのは 世の常で それでもあたしは 甘味感じたい
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安らかに 眠りたいだけど 付け焼き刃 心は一生 眠ることはない
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春の夜に羽織る上着に思い出す幼き頃の母のまなざし
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本編が 始まる瞬間暗闇の 四隅が広がるあの没入感
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「人よりも猫を産みたい」幼子の写真に飽いて賛辞も尽きて
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アイロンの余熱でプレスするように少し続いた逢瀬を思う
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責めたこと責められているキッチンで小さな鍋が集めるひかり
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‪幸せになりたい手づかみで食べるナスのマリネのしみるささくれ‬
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両親の愛の玩具オモチャと生まれぬる子の人生の哀れなるかな
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好きになりかけて忘れる途中まで溜めたスタンプカードのように
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ぴっちりとマスクを着けて眺めれば自粛できない若葉が萌える
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五月にもなれば誰かの熱を知る最後にあなたが褒めた指先
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そそくさと 部屋出る誰か 見なくても 案外誰か わかるものです
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‪意味はなくとも生きるのだ牛乳で割った珈琲一気飲みする‬
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最近は 歌を短歌に 縮めたい 二番煎じ 上等じゃこら
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あるのかな 手に入るかも 隣の芝 乱れた髪に 触れられないなら
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眠らない世界の果ての図書館で甘いゼリーを啜っていたい
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耳元でわーわーわーと叫んでよきみをどろりと忘れた朝に
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でもいつかニトリの三徳包丁で刺し違えるわ遠い窓辺で
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