茜射す 部屋の片隅 蹲る 鳴り止まぬ音 チャイムと涙
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夜明け空 喉を通るは 嗚咽のみ 我を思う故に 我を思わず
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我思う この世恨みし 報いにや この世は我に 牙を剥く
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真夜中にドアノブが動く想像をしてしまったから呼吸を止める
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朝体操 昼の森林 夕の飯 乗り越えた先 猥談の夜
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舐めたのは 人生なのか 肌の匂い 重ねる度に 変わりゆく季節
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理解して 耐えるつもりが耐え切れず エラーを吐いた 俺の人生
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この夏は どんな美人のにおいさえ この冷房のにおいにゃかなわぬ
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遅すぎる 親不孝者 ろくでなし 泣きながら読む 戦没者名簿
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文したため 慕ふ貴殿は つゆ知らず 心をも仮名に 乗せては奪ひて
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青い春 画面越しかも 四次元リアルかも 分からないほどの ブルーライトよ
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真夜中の徘徊闊歩 道端で猫を見つけるまで帰らない
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結び目は 締めるためなのか どちらとも ほどくためでも 美しくあれ
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中古屋で 見つけた 青春 買戻し 何かが違う 液晶のSaturn
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刻むのは 心ばかりか 老いさえも 追いつけ追い越せ 秒針と競え
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患いて 火を捨て 加熱式に変え 今は昔の 灰が懐かし
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はらはらと 結晶の如く 落ちていく 命が尽きた 炎の証
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扇風機 風下にいたい いつだって 風神様は どちらにいらして?
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パチンコや チンチロ麻雀 カブに花 ぜーんぶまとめて 給料日と読む
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義理がため 介護の母を 捨てきれず 遺産のためと 勤しむ 孝行
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キンキン声の五月蝿いあなたをドブに投げたい
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透明な傘を海月くらげとしてキミとわたしで捕食されませんか?
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プライドは とうに捨てたわ 涙さえ 枯れた心臓 燃やす魂
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美しさ 諸行無常の 輝きは 賞費期限付き おつかれさまです。
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満開を 終えた紫陽花 花弁の 端が茶色く 心の片隅
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鋭いね 望んでだのは そうじゃなく いい目をしてるねと 言われたかった
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この上なく サイテーな気持ち どうしたら 言葉に乗せて 吐き出せるだろう
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折れる時 心はぽっきり 音立てる ならば身体ごと ぽっくりいきたい
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タイミング 悪い時ばかり ちょうど良く 良いタイミングは 六分の一くらい
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やるせない 気持ちを抱えて 何処へ行く 行き場がないから やるせないんや
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